スマホを使って眼のストレッチ?!|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

現代社会において、もはやスマートフォンやパソコンのディスプレイを見ながらの作業は避けられません。こうしたディスプレイを眺め続けていると、思いのほか眼に疲労を感じてくるはず。一時期ドライアイも流行りましたが、こうしたディスプレイ作業を伴う仕事に関わる方は、適切な休憩をとって眼を休ませる気遣いも必要ですね。眼を休ませる方法は色々ありますが、今日はたまたま書店でこんな付録付書籍を発見しました! なんと付録の特殊グラスにスマホを差し込んで、3D動画を眺めることで「眼のストレッチ」によるリフレッシュができてしまうというのです。

3Dグラス付き『スマホで視力回復! 眼のストレッチ』(宮尾克監修/池田書店刊、1,500円+税)

3Dグラス付き『スマホで視力回復! 眼のストレッチ』(宮尾克監修/池田書店刊、1,500円+税)

スマホを入れて使用する専用3Dグラスの付録付き書籍

スマホを入れて使用する専用3Dグラスの付録付き書籍

専用アプリをダウンロードして覗くだけ

使い方は簡単。まず、専用の無料アプリ(iOS 6以上、およびAndroid 4.0.3以上に対応)をダウンロードし、そのスマホを仕込んで付録の3Dグラスを組み立てます。3Dグラスはミラーとレンズが仕込まれ、スマホに表示される3D動画を両眼で視聴できるよう工夫されています。

スマホのアプリに表示される3D動画を1日数分眺めているだけで、眼のストレッチができてしまうというのです。3D動画は空のような空間に球体が動き回る動画や、美しい海の中をイルカが泳ぐ動画など。動画と共に、癒し系のBGMも流れます。もちろんスマホをサイレントモードにすれば映像だけ楽しめます。

果たして、これを眺めてるだけで、本当に眼のストレッチ効果などあるの?!

本書によると、この3Dグラスを使って10代~60代の男女100名に、3Dグラスを使ってアプリの映像を2分間視聴し、視聴前と視聴後で視力検査を実施したところ、「視力が良くなった」人がなんと67%も。老眼にも効果があるようで、同調査で「新聞を読みやすい距離」が近くなったという人はなんと80%。ただし、あくまで開発者側の調査であり、こうしたメディアで医療効果をうたうことも消費者トラブルの元となりますから、実際の効果はご自身で確かめていただくということで、ここに記載したデータは参考程度に捉えてくださいね。

専用アプリを仕込んだスマホを挿入し、3Dグラスを組み立てる

専用アプリを仕込んだスマホを挿入し、3Dグラスを組み立てる

3D動画による眼のストレッチ、その根拠

本書では、眼球の仕組みなども詳しく解説されています。眼精疲労や視力低下の原因は様々としながらも、その一つの要因と考えられているのが眼の「ピント調節機能の衰え」といわれ、そのカギを握っているのが眼の水晶体の周りを囲んでいる毛様体筋(もうようたいきん)と呼ばれる微細な筋肉なのだそうです。この毛様体筋が眼のピント調節を行う水晶体を厚くしたり、薄くしたりすることでその役目を果たしているのだそう。この毛様体筋をストレッチさせることで眼の視力回復につながるのだそうですが、毛様体筋を自分自身で動かすことは困難。ところが、本書の企画・監修者である宮尾克先生(名古屋大学大学院教授、医師・医学博士)は、3D映像を見ることで毛様体筋をストレッチさせることを発見されたのです。

じつはこの宮尾克先生は長年に渡りディスプレイと眼の疲労に関わる研究に携わられてきました。厚生労働省のVDT(Visual Display Terminals、ディスプレイやキーボード等で構成される機器)作業のガイドライン策定にも関わられるなど、「ディスプレイと眼の疲労」に関わる研究の第一人者として知られていました。近年は3Dテレビ(3D映像の視聴)は一般のテレビ映像に比べ眼を疲労させることを科学的に立証するなどの研究に取り組まれていました。

つまり、3D映像の視聴は眼の疲労につながるという研究成果を逆手に取ったのがこの付録付き書籍というわけです。3D映像の視聴による疲労の要因は毛様体筋を必要以上に動かすことになる、であれば毛様体筋のストレッチに3D映像を視聴させ、それによって視力回復トレーニングができないかと思いつかれたわけです。

まさに逆転の発想。果たして、筆者も眼で進行中の老眼も多少は良くなるのでしょうか。まあ、あまり期待せず、しばらく試してみようと思います。

こんな風に1回数分、できたら1日数回使用することで、視力回復トレーニングができるとか。ほんまかいな?!

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー
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