温泉の混雑状況をIoTでモニタリングする│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

温泉は日本独自の根強い文化です。お湯に浸かる文化は、長い歴史の中で日本人に癒しを与えてきました。最近では外国人観光客が急増すると共に、そうした人たちの間にも温泉人気が高まっているそうです。外国人観光客に有名な温泉なのは、2011年から2016年の6年間だけで外国人旅行者数を36倍に伸ばした城崎温泉(兵庫県)です。海外の有名なガイドブックや旅行・宿泊サイトでの情報発信をきっかけに外国人観光客を急増させ、現在でも人気を誇っています。

もちろん私の住む青森にも酸ヶ湯温泉や不老不死温泉をはじめとして日本を代表する名湯、秘湯がひしめいています。そうしたところは外国人観光客からも高い人気を誇っているようです。一方で温泉に足を運んでみたものの、想像以上に混雑していて「なんだかゆっくりできないなぁ」と感じるときもあります。せっかくなら温泉では「癒し」を求めたいですよね。

そんななかで、温泉の混雑状況を確認できるIoTソリューションを見つけてしまいました。スパ・温泉施設情報専門サービス「ニフティ温泉」を運営するニフティライフスタイル株式会社は、温浴施設向け「混雑状況サービス」の本展開を開始しました。

サービス内容としては、脱衣所や休憩所、レストランに設置したステレオカメラでのカメラ解析によって場所ごとの利用人数をカウントします。浴室にカメラ?! と思わずのけぞってしまいましたが、これは盗撮をするというわけではなく、人物の形状を検出するセンサーであるということなので一安心。これにより、リアルタイムな混雑状況を確認できると共にプライバシーもしっかりと守られています。混雑状況は来客だけではなく、各温泉のwebサイトでも確認できるようにするので、あらかじめ混雑状況を確認してから温泉に出向くということが可能になります。

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システムの概要

混雑状況を把握できる、という着眼はこれからの観光事業にとって重要になります。観光客が増加したことによって懸念されるのは、混雑により各観光施設の持つ魅力が発揮できないことです。私など、人の多さや混雑が大嫌いなので(そのために生まれ故郷の東京から脱出し地方移住したほどですから)、混雑度合いを常時モニタリングできる仕組みは、温泉に限らず応用範囲は広いと思いました。私に限らず、地方へ観光にいらっしゃる方々は「癒し」を求められて来られる方が多いはずです。ところが来てみたら想定外の混雑だった、なんてことになればその後のリピートにつながりません。

こうしたソリューションによって混雑状況をモニタリングできればお客様を分散させることが可能になります。それにより1人あたりの滞在時間を長くさせたり、満足度を高めることができるはず。運営側としても効率的に施設を回転させられるので、お客様に対するおもてなしの向上、さらには効率的なスタッフ配置も可能になるでしょう。

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管理者向けヒートマップ

このようにお客様側は温泉等の施設を楽しめ、運営側はよりサービスを高められるという、双方にメリットがもたらせられます。

現在、ニフティ温泉では横浜天然温泉、美楽温泉、杉戸天然温泉にてこのシステムを運用しているそう。その成果について、ぜひ追跡調査してみたいですね(という名目で温泉に行きたい)。

参考情報

https://www.niftylifestyle.co.jp/cs/catalog/niftylifestyle_news-release/catalog_181002000014_1.htm?fbclid=IwAR3dZHdAOcI8J1-D7pCnAlh8cwUP-32kZ8nTSYMlHVOaQSKRF6ZdrhQQ6D4

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー
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