自販機大国ニッポンが誇るIoT物販自販機となるか「スマートマート」│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

先だって、久しぶりに中国の深センを訪問してきたのですが、QRコード決済による電子マネーの普及には大変驚かされました。さらにそれら電子マネーによる個人認証や個人信用情報スコアの活用で、無人コンビニもあちらこちらに見かけました。中国でそれほどまで電子マネーが普及した理由の一つとして、中国では現金が利用しづらいことが挙げられるそうです。日本では当たり前ともいえる自販機の現金対応を見ても、中国の自販機等では一部の紙幣や硬貨しか受け付けないとか、そもそも故障も多いというような話を聞きました。

そういえば、わが国は自販機大国と言われてきました。筆者が中学生だった頃から街中のあちこちにジュースの自販機が普及していき、小銭があればどこでも手軽に清涼飲料水が飲めるようになりました。今でこそ当たり前のことなのですが、当時外国から日本に来た方々にとって、ジュースの自販機が街中にある光景にはかなり驚かれていたと記憶しています。

街中にこのような自販機が設置されトラブルや故障もほとんどなく稼働しているのはすごいことだと思います。どうせなら中国のような無人コンビニのようなものに走るのではなく、徹底的に自販機の高度化を目指していくのが日本的らしくて面白いのではないでしょうか。

そんななかで、さる2018年6月に株式会社ブイシンクは汎用のIoT物販自販機「スマートマート」を発表しました。大型のこの自販機には、まず正面に3つの大型モニターが設置されています。上部に2つある21.5インチ液晶ディスプレイでは、デジタルサイネージ代わりにニュースや天気、CMなど様々な情報表示をさせることができます。そしてその下の46インチ液晶ディスプレイはタッチパネル式になっており、ここに商品を表示させ、購入までのタッチ操作を行うメインディスプレイとなっています。もちろん、ディスプレイに情報を表示させるということは多言語対応も可能です。

販売できる商品ですが、最大で幅40cm、重さ4kg、最大商品数40点までのものをこの中に在庫させ、無人で販売することができます。デジタルガジェットやキャラクターグッズ、地産品など、何でもこの自販機で売ることができます。

自販機自体のメインCPUには米インテルの「Coew i7」が搭載され、これによりARや3Dグラフィックを使った様々な情報表示が可能になっています。自販機本体には各種センサーを内蔵した自動自律保守システムが搭載され、発生したほとんどの障害を自ら再起動するなどして自動的に復旧させることが可能です。そしてこの自販機がIoTとされる部分を見ていくと、まず「Lアラート」による震災情報・津波情報などの緊急情報の表示も可能となっています。さらに無線通信でセンターサーバーと常時接続することで、商品の欠品や機器の故障などもいち早く察知することができます。

IoT物販自販機「スマートマート」の概要

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羽田空港国際線ターミナルに設置されていた実機を発見

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上部の2つのディスプレイはサイネージになっている

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目線の位置にARカメラセンサーがある。このカメラで人を検知しているのか、正面に立つとメインのディスプレイにキャラクターが現れた

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ここに設置されていたスマートマートでは、某キャラクターグッズが無人販売されていた

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商品をタップして選択したところ。多言語対応もばっちりである。取材時点では現金しか対応していなかったが、今後電子マネー、クレジットカード、QRコード決済にも対応していくという

商品をタップして選択したところ。多言語対応もばっちりである。取材時点では現金しか対応していなかったが、今後電子マネー、クレジットカード、QRコード決済にも対応していくという

日本では飲料からチケット・乗車券購入など、様々な分野で自販機が活躍し、またそれを日常的に利用している私たちにとっては当たり前の光景になってしまっています。しかし、海外からの訪日客の多くは、日本の自販機の信頼度の高さや高機能さに驚かれて帰られて行きます。ぜひとも2020年には、あっと驚く自販機にあふれさせ、ニッポンらしいテクノロジーをアピールしてもらいたいものです。

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー
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