IoTふるさと納税自販機│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

公開日: : 最終更新日:2018/09/11 木暮祐一のぶらり携帯散歩道 ,

筆者は現在、地域のICT利活用を主テーマに大学で研究等に取り組んでいるところですが、とくに地方において地域振興をめぐる情報を集めていると、よく話題に出てくるのが『ふるさと納税』です。ご存知のとおり、ふるさと納税は、現住地以外に自分のふるさとや支持したい地域を応援し、地方自治体はその応援を受けて地域の産業拡大を図るという目的で整備された制度です。

希望する自治体にお金を収めると、自治体から返礼品をもらえる他、税金の控除がされるなど様々な特典が付くということで話題になりました。ふるさと納税の手続き方法は自治体によってさまざまで、電話やFAX、メール、直接窓口に行くなどの方法がありますが、大半の方はWebを通じてオンラインで手続きをしていると思います。各地のふるさと納税に関する情報を集約したポータルサイトなどもあり、オンラインストアで商品を選ぶがごとく返礼品を吟味して寄付する自治体を決めている方がほとんどでしょう。

しかしオンラインによるふるさと納税の場合、多数の自治体の返礼品を簡単に見比べることができるため、結局のところ『返礼品競争』になってしまいます。ふるさと納税で成功する自治体と、逆になかなか成果を出せない自治体に二極化してしまいます。

ところで、出かけた先の地域で、その地域ならではの魅力的な産品に出会ったとき、その場でふるさと納税として商品を買う(すなわち返礼品を選ぶ)ことができたらきっと便利ですよね。もちろん自治体の役所・役場の窓口ではそうした手続きはできるのでしょうが、出張や観光などで訪れた地で、わざわざ役所・役場に立ち寄ることはなかなかありません。一方で玄関口となる駅や空港、道の駅などで、その地の産品が気に入って手軽にふるさと納税できたらきっと便利なはず。

このような、リアルな場でふるさと納税の寄付ができてしまうという『ふるさと納税自販機』なるものがお目見えしました。これは、ソフトウェアシステムの開発・運営を行うグローキーアップと、自販機製造大手のサンデン・リテールシステムが共同で開発したもので、まるで飲料でも買う感覚でふるさと納税できてしまうマシンなのです。気に入った返礼品があれば、このふるさと納税自販機のパネルから選んで決済するだけ。配送先などの情報を入力し、その情報が返礼品の生産者や配送者に伝達され、後日返礼品が自宅に届くというシステムになっています。この寄付(納税)から注文処理、生産者・商品の出荷依頼や請求処理、自治体への納税情報処理、特例対応処理、商品出荷配送指示などといった一連のバックヤード処理はグローキーアップのソリューション「UNIOSS」と連携させることができ、導入自治体側の手間も増えません。

ふるさと納税自販機

ふるさと納税自販機

ふるさと納税自販機やオンライン納税サイトから注文された情報の処理もシステム化されている

ふるさと納税自販機やオンライン納税サイトから注文された情報の処理もシステム化されている

このふるさと納税自販機は、観光地や宿泊施設、駅や空港、物産展や道の駅など、地域にある施設に設置することで、インターネットサービス以外のリアルな市場にアプローチできるというのが大きな特色です。ふるさと納税の本来の目的は、地域を応援するということです。観光地を訪れている旅行者は、少なくとも訪れている間その観光地のファンになっていることは間違いありません。「お土産を買うなら納税して返礼品で」とか、「もう一度来たいから、納税して宿泊利用券を」といった、これまでとは違う切り口からのニーズにこたえられる寄付手段が展開可能になります。

このふるさと納税自販機は2018年2月に開催された「スーパーマーケット・トレードショー2018」で披露され話題となりました。グローキーアップの鍵和田芳光社長によれば、「現在複数の自治体から引き合いが来ている」とのことで、来年度あたりから実際に設置されている姿が見られるかもしれません。

参考情報

グローキーアップ
https://glowkeyup.co.jp/index.html

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー
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