AIによる創作はどこまで進んできたか?!│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

公開日: : 木暮祐一のぶらり携帯散歩道

 記事や漫画などをAIに創作させるための試みが各所で繰り広げられています。先日開催された人工知能学会にて、豊橋技術科学大・上野未貴助教は画像として取り込んだコマ漫画をAIに学習、解析させ、「そのコマは何コマ目か」「オチの4コマ目から読み取れる感情は何か」を学ばせたという論文を発表されたそうです。

目指すゴールはAIに漫画を創作させることなのでしょうが、何はともあれAIに学習してもらわなければ何も結果を出してくれません。とはいえ、AIに学ばせることを目的として研究に使える作品は足りないことが問題になりました。そこで上野助教は4コマ漫画をオリジナル制作し、AIに学習させていきました。登場人物が限られ、物語があることを重視し、まず上野助教がプロット(筋)を作成しました。制作会社の編集者と協力してセリフを盛り込んだシナリオにし、これを漫画家が4コマで表現します。

4コマのパターンとして同一プロットから4コマ目にオチがつく一般的な型と、1コマ目に特徴的な絵が登場する出オチ型の二つのシナリオを用意。さらに表現者による差があることを学ばせるため、5人の漫画家に同じシナリオで描いてもらいました。用意したプロットは10、これを20のシナリオにして5人の漫画家が描き、計100話を完成させ、これをAIに学習させたそうです。これだけでも大変な試みですね。結果として、現段階では1コマ目か4コマ目かを7割近い確率でAIが当てられるところまで来ているそうです。

一般的な構成(右)と出オチ(左)の2パターンを用意

一般的な構成(右)と出オチ(左)の2パターンを用意

AIに創作させる試みは、じつは身近なところでも色々と実験されています。たとえば、GoogleのGmailでは、受信したメールの一番末尾に、三択から一言メッセージを返信できる機能が備えられていることをご存知でしょうか。明らかに返信が必要と思われるメールで、この三択の返信メッセージが表示されるようになっています。じつはこの返信メッセージは、メールごとに内容が異なっています。そうなんです、じつはGmailのAIがメール本文の内容に照らし合わせて、迅速に一言で返信するのにふさわしいメッセージを表示してくれるのです。

また、ライブドアニュースでは、ニュース記事の要約が最大3行ほど、ニュースタイトルの下に表示されることが知られています。じつはこの3行のニュース記事要約も、ニュース内容にもとづいてAIが自動作文しているのだそうです。中学生時代、国語の授業で文章の要約を書く練習をずいぶんとやった記憶があるのですが、いまやそんなことはAIでできてしまうのですね。

Gmailの三択返信や、ライブドアニュースの3行要約はAIによる自動生成なんです

Gmailの三択返信や、ライブドアニュースの3行要約はAIによる自動生成なんです

やー、文章の要約レベルからはやくもっと進化してもらって、このPOSTCOの連載も、ネタ探しから記事執筆までAIがやってくれたら助かるのに…。は、それはつまりおいらの失職ってことか?! AIに仕事を奪われてしまうのも時間の問題か…(笑)

人間はクリエイティブの分野においてはAIに仕事が奪われることがないだろうと言われてきましたが、本当に下手をしたらAIのほうが優れた作品を生み出すところまでいっちゃいそうですね。AIに仕事を奪われるか、それともAIを飼いならして助手にとどめて使ってやるかは、もはやあなた次第という時代がまもなく到来ですね。

参考情報

将来は漫画家? 4コマ考えるAI、まだ初心者ですが…(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASL5Z63JWL5ZOBJB00J.html

豊橋技術科学大学 上野未貴助教https://www.tut.ac.jp/university/faculty/imc/post_5.html

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー
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