香りの世界にもIoT、スマホを使って自由に香りを演出しよう|山根康宏のワールドモバイルレポート

3DディスプレイやVR/ARグラスなど、実際に無いものを見ることのできるバーチャルな体験が日常的にできる時代になった。VRヘッドマウントディスプレイをつけて宇宙空間を飛び回ったり、あるいはARグラスを使い紙の絵本がアニメーションの飛び出す絵本になるなど、視覚の上では次々と新しい技術が登場している。

しかしせっかくVRグラスをつけて大自然の中を歩いているバーチャル体験をしていても、ふと気が付くと部屋の中の芳香剤の匂いが鼻につき現実の世界に引き戻されてしまうこともある。最近はデパートやイベントスペースでVR体験をできる空間があるが、隣接されたカフェからの香のよいコーヒーの匂いを嗅ぎながら、VRグラスで水中を泳ぐ体験をするのも違和感があるものだ。

フランスのSniffy Marketは、香りや匂いも体験できるIoT製品をCES2018に参考出展していた。本体は電子レンジ程度の大きさで、そこに広告を表示するディスプレイが埋め込まれている。本体内には香りのエキスを収納するカプセルがあり、広告に合わせた香りが端末から出てくるという仕組みだ。

広告に香りをつけるというSniffy Market

広告に香りをつけるというSniffy Market

香りは自動で出てくるのではなく、ディスプレイの広告に丸いアイコンが表示されたときに、そこをタッチすると前面から匂いを放出するという仕組みになっている。まだサンプル品とのことで実際の動作は試せなかったものの、約20種類の香りを収納しておくことが可能で、花や食べ物など様々な匂いを出すことができるという。

また香りを発生する装置だけをTVの後ろに設置するなどして、広告や番組内容に合わせて香りを出すこともできるようになるという。広告であれば放送時間が決まっているのでその時間に合わせて最適な香りを放出することも出来るだろうし、いずれは広告の音やしゃべりを聞いて自動的に放出する香りを判断する、といった往々展開も出来るだろう。むしろ匂いを出すタイミングよりも、より自然な香りをどのように空間に放出するかが難しそうだ。

カートリッジそれぞれに香りをいれて、本体にセットする

カートリッジそれぞれに香りをいれて、本体にセットする

広告の香りを味わいたいと思わなくても、室内の香りを気分に応じて自在に変えたいと思う人もいるだろう。朝はさわやかな香り、夜は落ち着く香りなど、自分の好みの香りで室内が満たされたら豊かな生活を送ることができそうだ。

Moodoは4つの香りのカートリッジを装着でき、スマートフォンやタブレットのアプリから香りをコントロールできる芳香器だ。4つの香りを自分好みに組み合わせ、お気に入りの香りを作り出すことができる。

とはいえいきなりどの香りを作ればいいのか、一般人には難しい。そこであらかじめ6つのシーンに応じたパッケージを提供。それぞれのパッケージには最適な4つの香りのカートリッジが含まれている。

4つのカートリッジで好みの香りを作れるMoodo

4つのカートリッジで好みの香りを作れるMoodo

そのうちの一つのパッケージには「Gardens of Kanazawa」、金沢の庭園という名前が付けられている。セットになった4つのカートリッジで、日本らしい香りを出すことができるのだろう。4つのカートリッジはそれぞれ「Divine Rose」「Grandma Vanilla」「Sandal Wood」「Midnight Thrill」。アプリでこの4つのカートリッジそれぞれの強さを自由に調整し、自分好みの香りを作り出すことも出来る。

「Beach Party」には「Sea Breeze」「Monoi De Tahiti」「Sweet Sand」「Amber Marine」と、いかにも海辺を感じさせる香りが4つセットになっている。同じ海辺の香りでも、人によって求めるものは異なるだろう。そこでアプリを使ってこの4つの強弱を自由にブレンドできるというわけだ。一度作ったブレンドは保存しておけるので、再び同じ香りを味わうことができる。

実際にいろいろと設定をいじると、時には「今の気分には合わない」なんて香りを作り出してしまうこともある。しかしその香りが別の気分の時に心地よい、なんてこともあるそうだ。アプリを操作しながらDIY感覚で香りを作る操作はなかなか面白い。

アプリを使って4つのカートリッジの強弱を自由に設定できる

アプリを使って4つのカートリッジの強弱を自由に設定できる

Moodoは昨年3月にクラウドファンディングで資金調達200%を達成し製品化されている。本体とパッケージ1つで149ドルからと、この手の製品としては手の届きやすい価格だ。カートリッジのそれぞれの匂いや、セットとなるパッケージの種類も今後増やしていくという。

CES2018には他にも自分の好きな香りの香水を作ることのできるNota-notaも登場。ブレンドした香りはSNSでシェアし、他の人が同じ香りを作ることもできる。つまり香りを使った遠距離コミュニケーションを楽しめるというわけだ。香りに関する製品は今後様々なモノが出てくるだろう。

好みの香水を作れるNota-nota。ブレンドをシェアもできる

好みの香水を作れるNota-nota。ブレンドをシェアもできる

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山根 康宏

山根 康宏

香港在住15年。海外展示会取材や海外市場調査のため1年の半分を 海外で過ごす。2003年に前職を退職し同年に携帯電話研究家として独立。 香港を拠点にフリーランスの活動を開始する。消費者目線でのコラムやレポートを執筆する他、 コンサルティング活動も行っている。 週アスPLUS『山根博士の海外モバイル通信』、 ITmedia『山根康宏の中国携帯最新事情』、CNET『中国トンデモケータイ図鑑』など、 メディアでの連載多数。 携帯電話をこよなく愛しており、海外出張時は現地端末やプリペイドSIMを必ず購入、 それらのコレクターでもある。 収集した海外携帯電話の台数は約1300台、SIMカードは約500枚(2014年6月時点)。 株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー
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