飲食店のテーブルをIoT化しちゃうPutmenuとは?!|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

中国で電子マネーの利用が急速に普及し、飲食店などでは来店者のスマホからメニューをオーダーし、決済まで完結してしまうというような風景を当たり前に目にするようになりました。そんな光景を見て日本人として驚くばかりですが、わが国の飲食店でも同様なことを簡単に導入できるソリューションを見つけました。それはボクシーズ株式会社が「飲食店のすべてのテーブルをIoT化し、店舗における注文とレジ(決済)の業務負担を軽減してしまおう」というコンセプトのもとに提供している「Putmenu(プットメニュー)」です。

まずはお客さんの視点から、このPutmenuを導入した飲食店を利用するイメージを説明しましょう。来店前にお客さんは専用のアプリを使って料理の選択と支払いを済ませます(支払いはソフトバンク、auかんたん決済、ドコモケータイ払い、LINE Pay、Alipay、Paypalのオンライン決済サービスに対応)。あとは来店して料理が出てくるのを待つだけ。料理を食べ終えたら、支払いは済ませてあるので、あとは退席して完了。ちなみに料理の選択をしながら店舗に行かなかった場合は、一定の時間が経つと自動的に注文がキャンセルされます(これは最近話題の無断ドタキャンにつながりそうでちょっと心配)。店舗での無駄な待ち時間も減らせ、会計までスムーズに利用できるのが最大のメリットでしょう。

フードコートのような店舗での導入イメージ

フードコートのような店舗での導入イメージ

飲食店でのテーブルIoT化の導入イメージ

飲食店でのテーブルIoT化の導入イメージ

一方、飲食店側のメリットを見てみましょう。ここ数年で飲食店の課題とされているのが人材不足です。安い賃金でパートやアルバイトを雇うも、スタッフが不足していることから一人ひとりの負担は増え、定着率は低下。また少人数でお店を回すことで、日本の誇るべき点である「サービスの質」も低下してしまいます。更には質の低下で客離れが起こると、新しいスタッフを雇うコストが足りなくなるという負のスパイラルが、今日における日本の飲食店では起きているのです。

このPutmenuを活用すれば人材不足を解決してくれます。なぜならお客さんが注文と会計を済ませてくれるので、スタッフの注文や会計の行き来の手間を省くことが可能になるからです。注文や会計の行き来は、計算すると一日30分ほどの時間を短縮できるため、一か月あたり900分以上の短縮、1.5万円以上のコスト削減につながるのだとか。

さらにPutmenuが解決してくれるのは人材不足だけではありません。店舗は自店のビックデータを取得することができます。お客一人ひとりの来店回数や来店日時、どんな注文をしたのか、どんな評価だったのか、等お客さまの個人情報を害することなくビックデータを取得できるため、お店の営業戦略に役立てられます。また12か国語(日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、タイ語、カンボジア語、ベトナム語、ロシア語、スペイン語)に対応しており、店舗側は日本語に変換されて注文を受け取ることができるため、インバウンド対策にも有効です。

多言語化も簡単のようです

多言語化も簡単のようです

さる10月には、モバイルソリューション系の業界団体であるMCPC主催の「MCPC award 2017」にて総務大臣賞も受賞しました。Putmenuを導入するには、アプリや店舗へ設置するビーコンなどをパッケージ化した有料プランを選択することになります。すべてのテーブルをIoT化させるにはテーブルごとにビーコンが仕込まれた電子注文シートをテーブルの数だけレンタルしなくてはなりません。その費用対効果が見合うものになるかは導入店の腕の見せ所でしょうか。あるいは、ICTが人の労働力の代わりになっていく一つの事例ともいえるのかも。

編集部追記:今回ご紹介した「putmenu」の開発元であるボクシーズ株式会社にインタビューを以前行っております。詳細は「【IoT企画・開発】飲食店メニューを10言語に自動翻訳する『Putmenu』の企画・開発の話」をご覧ください!

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー
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