安易なドローン飛行は危険であると認識|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

公開日: : 最終更新日:2017/09/26 木暮祐一のぶらり携帯散歩道 , ,

みなさん、ドローン飛ばしてますか~?! って、普通はそんなに気軽に飛ばせるものではないですよね。筆者は研究の一環としてDJI社のPHANTOM 4を購入し、日々飛行練習に励みつつ、地域コンテンツ制作のために空撮を試みたりしています。筆者の勤務先である青森公立大学は、国土交通省が定める人口集中地区から外れていますので、講義や研究の合間に思い立ったらいつでもドローンを飛ばせます(大学の敷地における飛行許可を大学当局から取得もしています)。首都圏なんて、ほぼ人口集中地区ですから、国土交通省の許可を持っていない方はドローンを飛ばすために1-2時間かけて郊外に移動しなくてはならないことと思います。青森の環境、うらやましいでしょう~(笑)

日々、学生さんたちと一緒にドローン漬けな毎日

日々、学生さんたちと一緒にドローン漬けな毎日

それにしても、昨今のドローンは大変高性能で、GPSやジャイロセンサーなどを有効に使ってかなり安定した状態で飛行させることができます。正直なところ、初めてコントローラーを握る学生でさえも、いとも簡単に飛行させることができます。もちろん、ドローンを飛ばすためには航空法を遵守し、それ以外の様々な関連法(電波法、道路交通法、個人情報保護法、民法など)も理解し、法令順守の上で安全に飛行させなくてはなりません。

筆者もこのあたりは独学で勉強し、また飛行練習も重ね、自分なりには一人前のドローンパイロットになったつもりでした。しかし、今後もますますドローンを活用する機会が増えそうなため、この段階になって初めてドローンスクールの門をくぐり、プロのご指導を受けてみることにしました。

ドローンに関する資格認定や、スクールなどが乱立しつつありますが、筆者は青森市に開校したドローンリンクアカデミー青森にお世話になりました。このスクールは日本初のドローン操縦士および安全運航管理者の認定資格 「JUIDA無人航空機操縦士」「JUIDA安全運航管理者」を取得できる認定スクールです。ちなみに、ドローンを飛ばすには今のところ免許等は必要ありません。多数の団体が独自にドローン操縦に関わる認定資格を発行していますが、これらはいずれも国家資格ではありません。ですので、資格はなくても良いのですが、ドローンを業務に使うのであれば、資格相当の知識や操縦技術を身につけたいと思った次第です。

そして実際に受講したのは「操縦士・安全運航管理者 総合取得コース」です。このコースは飛行実務のため必要となる基礎操縦技術および安全に運航するための基本的な知識を習得することを目的に、座学と実技が合計4日間続きます。座学については、国際条約、航空法、電波法、道路交通法、民法、個人情報保護法などドローンを飛行させるのに必要な法令や、ドローンの構造と飛行の仕組み、さらに気象や安全運行のための管理方法まで、かなり広範な知識を身につけます。当然のことながら卒業認定のための筆記試験もあります。

感覚的には自動車教習所のような感じで座学と実技をどっぷりやります

感覚的には自動車教習所のような感じで座学と実技をどっぷりやります

実技では、日常点検方法から飛行の実際、そしてトラブル発生時の操作介入の方法まで、様々な訓練を受けます。最後に実技試験もあります。PHANTOMなど商用ベースでも利用可能なドローンは、冒頭にも書きました通り自動航行に関わる様々なセンサー類が機能し、かなり安定して飛行できます。しかし、万が一の時に安全に飛行させるためには、このドローンを完全にマニュアルでセンサー類に頼らずに操縦できる必要があります。筆者も半年以上の飛行経験はありますが、マニュアルモード(DJI PHANTOMではATTIモード)での飛行は正直なところやったことがありませんでした。

通常のセンサーが利いたモードではドローンは一定のところでホバリングを続け、安定して飛行を続けてくれます。ところが、ATTIモードに切り替えた途端、ドローンは自由気ままに機体が流されて行ってしまいます。これを絶妙な力加減でコントローラーを操縦し、ドローンを一定の場所で静止させる操縦力を身につけなくてはならないのです。センサーを使った自動航行で良いではないかと思いがちですが、万が一の際に操縦不能に陥らないためにも、こういったセンサー類に頼らない操縦技術を身につけなくてはいけないのです。

いざ、体育館でドローンのマニュアルモードでの飛行にトライ

いざ、体育館でドローンのマニュアルモードでの飛行にトライ

実際の実技では、体育館内に写真のように10m間隔にパイロンを置き、これを目安にドローンを飛行させます。緑のパイロンから赤のパイロンへ、続いて奥の緑のパイロンへ、という具合に。マニュアルモードではドローンはあっちフラフラこっちフラフラの状態ですので、微妙なコントローラーさばきが求められます。さらにドローンの向きを進行方向とは違う方向に向けて同様に飛行させると、もはや頭の中はコントローラーのレバーをどちらに倒したらよいか錯乱してしまいます。その間にもドローンは流されていきますので、とっさに判断して的確な指示を出さなければ壁面に衝突してドローンが破損してしまいます。

ほんと、マニュアルモードではドローンがあっちフラフラこっちフラフラなんです

ほんと、マニュアルモードではドローンがあっちフラフラこっちフラフラなんです

そんなこんなで、合計4日間に渡る座学と実技を通して、ドローンがいかに情報通信技術の塊ともいえるガジェットであり、しかもその飛行には様々なリスクがあり、様々な法令を遵守の上で飛ばさなくてはならないものなのかを痛感しました。やはりドローンを業務で活用するのであれば、きちんとした教育を受けておくことがいかに重要かということも分かりました。ドローンに関わられる方はぜひともプロの指導による講座の受講をお勧めします。


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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー
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