LEDライトで文字表示もできる!最新のペット用ウェアラブルデバイス製品|山根康宏のワールドモバイルレポート
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最終更新日:2016/12/13
山根康宏のワールドモバイルレポート
ウェアラブル, ペット
ここのところスマートウォッチの話題が低調なウェアラブルデバイス市場。腕時計型の小型デバイスでは出来ることに限界があり、アプリを入れてスマートフォン代わりに使おうという動きはほとんど聞かれなくなっている。鳴り物入りでサービスが始まったApple WatchのSUICA機能も、ターゲットユーザーはJR東日本エリアだけと、盛り上がりはこれからという状況だ。
一方では腕時計そのもののデザインをしたスマートウォッチの人気が少しずつ高まっている。Fossilなどが販売するスマートウォッチはアナログ時計の外観で、スマートフォンからの通知はバイブレーションやライト、あるいは文字盤内の針の動きで表示される。スマートウォッチに限らず身体に装着するウェアラブルデバイスは、機能よりもファッション性がまだまだ求められているのだろう。
さてペットに付けるGPSトラッカーなど、ペット用ウェアラブルデバイスの世界にも、ファッションや見た目を考えた製品が登場しつつある。散歩中にペットが突然いなくなってしまい途方に暮れることもあるが、GPSトラッカーは、ペットに付けておけばスマートフォンで居場所をすぐに探索できる。ペットを飼っている人には必須でもあり、すでに多数の製品が発売されている。
とはいえせっかくペットの首輪に小型端末を取り付けるのならば、プラスアルファの機能も備えたい、そう考えて作られた製品がお目見えした。それが「Neo Pop」だ。このNeo Pop、ペットの首輪そのものとして利用する製品なのだ。しかし本体にはLEDライトを備えており、スマートフォンからライトの点滅パターンを変えたり、文字を表示させておくことができる。もちろんiPhoneとAndroidの量対応だ。
たとえば自分の携帯電話番号を表示させておけば、夜にペットと一緒に散歩に出かけたとき、もしもペットがどこかへ行ってしまっても、首輪が光っているので、探してくれた人が連絡をしてくれるだろう。また迷い犬になっていても、人目に付きやすい。草むらや狭い場所に入り込んだ飼い猫も、光があれば見つけやすいだろう。他にもペットの名前を表示しておくなど、ファッションアイテムとしても利用できる。そして夜間にペットが道路に出てしまっても、光があれば車からも見やすく、交通事故にあう危険性も低減できる。
Neo Popの機能は現時点ではLEDライトを光らせるだけだ。開発元によるとGPSの搭載も検討中で、現在開発を行っているとのこと。韓国ではすでに販売されているが、今後日本やアメリカなど海外展開される予定だが、その際にはGPS機能はぜひ搭載してもらいたいところ。また10分の充電で2時間の利用と、充電時間が短いことは評価できるものの、連続利用時間はこの数倍は欲しいところ。現時点では外に行く時だけこのNeo Popをペットに取り付ける、という使い方が向いているのかもしれない。
さてペット用として開発されたNeo Popだが、トラッキングデバイスとして子供やお年寄り用への応用展開もできるだろう。ペットの首輪用に開発されたNeo Popのサイズは、人間ならばちょうど手首につけておくのにピッタリなサイズだ。RFIDも内蔵しており、より細かい住所情報などを記録させておくこともできる。また一方では単純に文字を変えたり色を点滅させることのできるリストバンドとして、パーティーグッズとして使うのも楽しそうだ。
Neo Popの開発元によれば、自由に折り曲げできて文字表示をカスタマイズできるLEDライトは世界初とのこと。洋服や靴などのウェアラブルデバイスだけではなく、ドローンの本体に内蔵するなどIoT製品向けにも応用ができるだろう。フレキシブルLEDなら今まで文字を表示させたり光らせたりすることが難しかった場所への展開も自在にできる。次なる製品の登場に期待したいところだ。
さてスマートフォン新興メーカーとして注目を浴びるXiaomi(シャオミ)からも、ちょっと面白いウェアラブルデバイス「LocatePhone」が登場した。こちらもGPSトラッカーとして子供や荷物へ取り付けることを考えた製品だが、中国では早くもペットに取り付けて、居場所を常に確認する用途に利用しているユーザーもいるという。
シャオミのLocatePhoneの最大の特徴は、2Gの携帯電話機能を内蔵しながらも価格はわずか2800円(169元)であること。本体にはナノSIMカードトレイを備え、手持ちのSIMカードを入れて使うことができる。GPSと携帯電話ネットワークを併用することで、より正確な場所を確認することができるというわけだ。本体は40グラムと軽く、これならペットの首輪に取り付けても邪魔にはならないだろう。しかも1回の充電で10日間利用できるので電池切れの心配も無い。スマートフォンアプリからはLocatePhoneの場所だけではなく、電池残量も確認できるのだ。
LocatePhoneには発信ボタンもあり、指定した電話番号に電話をかけることができる。ペットにつけておけば、ペットを拾った人がボタンを押して飼い主と通話することもできるというわけだ。自分で意思疎通が計れないペットだからこそ、このLocatePhoneを付けておけば安心できる。シャオミとしてはペット向け用途は考えていないようだが、首輪に取り付けるためのフォルダーなどもぜひ発売してほしいものである。
ペット用のウェアラブルデバイスも、いずれは運動量を計測したり心拍センサーを搭載するなど、高性能化が進むだろう。もちろん飼い主にとって一番必要な機能は、ペットがいなくなってしまったときのトラッキング機能だ。ウェアラブルデバイスの進化は、飼い主が安心してペットを飼うことのできる環境も提供してくれるのである。

山根 康宏

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