iPhone 7ヘッドフォン廃止で気になるBluetoothヘッドセット、ウェアラブルデバイスとしての進化も期待|山根康宏のワールドモバイルレポート

公開日: : 最終更新日:2016/11/22 山根康宏のワールドモバイルレポート

ハンズフリーで通話のできる、Bluetoothヘッドセットを使っている人はいるだろうか?充電が面倒、気に入ったデザインが無い、ケーブル接続のヘッドフォンタイプで十分、そもそも通話をあまりしない、などと言った理由から、Bluetoothヘッドセットはまだまだ普及していないのが実情だ。日々車を運転するドライバー職の方々なら使っている人は多いだろうが、街中でBluetoothヘッドセットを使っている人の姿はまだあまり多くない。

だがiPhone 7 / 7 Plusでヘッドフォン端子が廃止されたことから、Bluetoothヘッドセットへの注目が集まろうとしている。ケーブルレスで音楽を聞いたり通話する、そんな姿がこれから当たり前のものになっていくかもしれない。とはいえ家電量販店のBluetoothヘッドセットコーナーを除いてみると、サイズが大きく充電器も必要なものばかりが売られており、今すぐ欲しい、と思える製品はあまり見られない。また耳かけタイプは装着すると目立ってしまう。いますぐワイヤレス生活を!と思っても、なかなかいい製品が無いのだ。

ところが今年になってから、今までの製品の欠点を補う、使いやすさとデザインに優れた製品が次々と発売になっている。サイズが小型化し、しかもキャリングケースも付属、そしてそのキャリングケースがBluetoothヘッドセットの充電器にもなる、という優れモノだ。

超小型サイズのBluetoothヘッドセット、サムスン「Gear IconX」。ケースが充電器にもなる

超小型サイズのBluetoothヘッドセット、サムスン「Gear IconX」。ケースが充電器にもなる

たとえばサムスンの「Gear IconX」は、横に開く筒形のケースにBluetoothヘッドセット本体を収納できる。ケースをあらかじめ充電しておけば、ヘッドセットを使わない時に収納するだけで充電できる。Gear IconX本体は指先サイズと小型であり、内蔵バッテリー容量も少ない。だが耳につけると目立たず、バッテリーが切れそうになった時はケースに入れれば充電できるため、使い勝手は悪くないだろう。しかもケースに入れておけば紛失する恐れも無い。

Gear IconXは、本体に4GBのメモリーを内蔵しており、音楽をコピーしておけば単体で音楽プレーヤーとしても使える。また心拍センサーを内蔵し心拍数を計測できるほか、モーションセンサーを利用し歩数などの計測も可能である。このように、Gear IconXは小型化したことによる使いやすさに加え、メモリ内蔵や活動量計としての利用など、いつでも手軽に耳に装着できるウェアラブルデバイス、という製品にも仕上がっているのだ。

実は他のメーカーからもGear IconXのような「小型」「ケースで充電可能」なBluetoothヘッドセットが次々と発売されている。しかしプラスアルファの機能がなければ、結局は「ケーブルのヘッドフォンのほうが使いやすい」ということになってしまうだろう。また通話用のヘッドセットから、耳につけるウエアラブルデバイスへと進化することにより、メーカー側も新たなビジネスチャンスをつかもうとしている。

常に耳に付けていられるサイズなので、ウェアラブルデバイスとしての応用をメーカーは考えている

常に耳に付けていられるサイズなので、ウェアラブルデバイスとしての応用をメーカーは考えている

その新世代ヘッドセットとして大きな期待が集まるのが、ソニーの「Xperia Ear」だ。Xperia Earも小型のBluetoothヘッドセットだが、スマートフォン側に専用アプリを入れることで、パーソナルアシスタントとして利用できるのだ。

Xperia Earはヘッドセットとして利用できるようにマイクも搭載しており、そのマイクを使って音声認識による指示ができる。「XXさんに電話」と言えばスマートフォンから指定番号に発信し、Xperia Earで通話ができる。また届いたメッセージやニュースなどを音声で読み上げてくれる機能も搭載している。両手が離せないときや満員の通勤電車の車内でも、届いたメールを確認することができるというわけだ。

さらにはモーションセンサーを搭載しており、Xperia Earをはめた状態で頭を動かしての操作も可能だ。Xperia Earからの指示に対して、Yesの場合は首を縦に、Noの場合は横に、それぞれ首を振ることで操作できる。スマートフォンに触れることなく、様々な操作を音声と首の動きで行うことができるというわけだ。

パーソナルアシスタント機能を搭載した、耳に付けるウエアラブルデバイスと言える「Xperia Ear」

パーソナルアシスタント機能を搭載した、耳に付けるウエアラブルデバイスと言える「Xperia Ear」

スマートフォンと連携して活用できるウェアラブルデバイスとしては、Apple Watchに代表されるスマートウォッチが多数販売されている。だが最近は新製品の数も減っており、話題になることも少なくなっている。スマートウォッチ登場時は「これでもうスマートフォンの画面を操作する必要はない」などとも言われたが、小さい画面では情報は見にくく、また時計に話しかけるという操作も不自然だ。また毎日の充電も面倒である。

これに対してXperia Earであれば、耳に長時間付けていても不快感は少なく、情報を音で聞くことができ、また音声や動きで指示もできる。しかも電池切れになりそうなときは付属のケースに入れて充電しておけばよい。ウェアラブルデバイスとしての将来性は、もしかするとBluetoothヘッドセットのほうに可能性が広がっているのかもしれない。

なおアップルが発売予定のAirPodsも、Bluetoothヘッドセットとしてだけではなく、内蔵のモーションセンサーを使い、本体をタップするとSiriを呼び出すことができるなど、プラスアルファの機能を搭載した。ウェアラブルデバイスでSiriを使うなら、恐らくApple Watchに話しかけるよりも、こちらのほうが使いやすいだろう。

本体タップでSiriも呼び出せるAirPods

本体タップでSiriも呼び出せるAirPods

もしかすると今後グーグルから「AndroidEar」なんて名前のプラットフォームやアプリが登場するかもしれない。そうなれば、パーソナルアシスタントとしてのウェアラブルデバイスの本命はBluetoothヘッドセットになるかもしれないのだ。グーグルが何かやってくるのか、あるいはスマートフォンメーカー各社が独自の動きを進めるのか。ポスト・スマートウォッチの市場が今後広がりを見せるかもしれない。

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山根 康宏

山根 康宏

香港在住15年。海外展示会取材や海外市場調査のため1年の半分を 海外で過ごす。2003年に前職を退職し同年に携帯電話研究家として独立。 香港を拠点にフリーランスの活動を開始する。消費者目線でのコラムやレポートを執筆する他、 コンサルティング活動も行っている。 週アスPLUS『山根博士の海外モバイル通信』、 ITmedia『山根康宏の中国携帯最新事情』、CNET『中国トンデモケータイ図鑑』など、 メディアでの連載多数。 携帯電話をこよなく愛しており、海外出張時は現地端末やプリペイドSIMを必ず購入、 それらのコレクターでもある。 収集した海外携帯電話の台数は約1300台、SIMカードは約500枚(2014年6月時点)。 株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー

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