【IoT企画・開発】地道に課題を1つずつ潰した。「ロボホン」から学ぶ、 IoT製品の企画・開発のポイント

公開日: : 最終更新日:2016/10/25 IoTコラム, IoT企画・開発, インタビュー , ,

ロボホン-企画01

2016年5月26日に発売され、様々なメディアやニュースで取り上げられているモバイル型ロボット電話「ロボホン(RoBoHoN)」
今回は、ロボホンを製造・販売されているシャープ株式会社の企画責任者である景井様にお時間を頂き、開発秘話などを伺って来ました!
IoT製品企画・開発の参考になるかと思いますので、是非ご覧ください!

ロボホンに関するその他の記事はこちら
【IoT製品紹介】ロボホンがカワイイ!評判や売れ行き・販売台数も上々♪
【IoTマーケティング】「ロボホン」のマーケティング戦略〜大々的なCMではなく、地道なファン作りを〜

※ちなみに、POSTCO Lab.でも以前、モバイル研究家コラムでロボホンに関する記事を公開しております。そちらも合わせてどうぞ!

ロボホンがホームステイにやってきた|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

モバイル型ロボット電話「ロボホン」とは?開発の動機は?

まずは、モバイル型ロボット電話のロボホンの特徴を聞いてみました!

ロボホン-企画02
※企画責任者の景井美帆氏

筆者「ロボホンを一言で言うと、どのような製品ですか?」

景井氏「ロボホンは、ロボット型の携帯電話で、様々なサービスを音声でご提供出来るハードウェアプラットフォームです。元々、コンシューマー向けで提供しておりましたが、2016年6月末に一般開発者向けのSDKを発表して以降、法人向けのソリューションも拡充させていく予定です。」

筆者「なぜ、ロボホンを作ろうとしたのですか?」

景井氏「弊社では元々、スマートフォンや家電製品を製造・販売しておりましたが、スマートフォンは進化が頭打ちになってきており、他社さんと差別化がしづらい状況になっております。そこで、家電事業の方で、音声で操作できるロボット掃除機などを既に提供していたので、“音声を使ったサービスが出来ないか”と考えて、企画に至りました。」

愛着を持ってほしく、“ロボット型“にした

ロボホン-企画03

筆者「音声で操作するのは分かるのですが、なぜ、“ロボット型”にしたのですか?」

景井氏「1つの家電や1つのスマートフォンとしてでは無く、お客様のパートナーとして、愛着を持ってもらいたかったからです。また、音声で会話しやすい形として突き詰めて行った結果がロボット型でした。」

筆者「パートナーとして、とはどういう事ですか?」

景井氏「ロボホンの最大の特徴で、我々が最も重要視している事の1つが“持ち運びできる小さいサイズのロボット”である事です。持ち運べるからこそ、家にいる時はもちろん、外へ出かける時も一緒にいられるので、スマートフォンのような形よりも、やはり人に近いロボット型の方が愛着が湧きやすいんですよね。」

筆者「たしかに、ペットの様な感じで、常に持ち運びたくなるような可愛さですよね。自分も欲しいです。」

以上のように、
●小さいからこそ、常に持ち運べて一緒にいる時間が長いので、愛着を持って欲しかった
●音声操作がメインなのでロボット型、人形に近い方が自然
という理由で、ロボット型になったそうです!

ハードウェア面の課題は、サイズと個体のバラつき

ロボホン-企画04

筆者「ロボホンを、実際に企画・製造する時に、課題だった事は何ですか?」

景井氏「課題は本当に山積でしたね(苦笑)。大きくハードウェア面とソフトウェア面に分けると、
ハードウェア面は、持ち運べる程小さいサイズにする事と、個体のバラつきが大変でした。個体のバラつきは、例えば量産する時に、部品が個体によって若干バランスが異なったりして、こっちのロボホンはきちんと立つけど、同じ動作をさせた時に別のロボホンだと軸がブレて倒れてしまう。といったようなバラつきが生じるので、それを1つ1つ吸収するのが凄く大変でしたね。」

筆者「部品のバラつきによって、ロボホン自体にも1つ1つバラつきが出てしまうんですね(汗)。それはどのように解決していったのですか?」

景井氏「地道ではありますが、1個1個検証して修正する事を繰り返しました。耐久テストなどもきちんと行った上で出荷しましたね。幸いな事に、弊社では元々スマートフォンや家電など、ハードウェアの品質管理のノウハウがかなり蓄積されており、そのあたりは大変でしたけど、他部署の協力も得ながら進められたので助かりました。」

以上のように、ハードウェアでは、
●とにかく小さいサイズにする事
●部品の個体差によるバラつきの標準化
が課題でしたが、それを1つ1つ検証して、地道に改善していったそうです!

ソフトウェア面の課題は、いかに自然な音声インターフェイスにするか

筆者「ソフトウェア面ですと、どんな課題がありましたか?」

景井氏「ソフトウェア面だと、音声部分が本当に大変でしたね。違和感を与えないように何度も検証と改善を繰り返しました。音声UIやロボットというものは、元々、生活に入っているものではないので、ロボホンから話しかけすぎても嫌だと思いますし。どういう対話が心地良いのか?も答えが無いですし、音声をメインにしたUIも珍しいので、そもそも何て話しかければ良いか分からないという問題もありましたね。

そのような課題を全て洗い出して、課題管理しながら、優先順位を付けて、直していくのが大変でした。」

筆者「ハードの課題もそうですが、ソフト面の音声UIでの課題もスゴイ多かったんですね(汗)」

景井氏「他にも、ロボホンが話している音声と、動きのモーションがズレているとか、そういう些細な部分にも拘って、とことんブラッシュアップしていきましたね。開発中も、常にロボホンと一緒に過ごし、全てのイントネーションもチェックして、変な所があれば、改善していきました。」

以上のように、ロボホンの企画・開発のときには、
●ハードウェアだけではなく、ソフトウェア(特に音声UI)にも多数課題があった
●毎日、製品と一緒に過ごして、改善していった
●些細なインシデント(不具合)も何度も検証して洗い出して、改善した
など、地道に製品をブラッシュアップしていった事が良く分かりました!

ユーザーテストで客観的な意見も取り入れた

ロボホン-企画05

筆者「やはり、自分がメインユーザーとなって実体験する事を意識していたのですね。」

景井氏「そうですね。ただ、主観だけで改善しても良く無いので、それと同時にユーザーモニター調査を何度も行い、客観性も踏まえて改善点を洗い出しました。例えば、先ほどもありましたが、どういう対話だと心地良いのか?どのように話しかけるのか?どういう使い方をするのか?などの客観的な検証のために、ユーザーテストを何度も回しましたね。」

以上のように、自分がコアユーザーになる事以外にも、一般のユーザーがどのように使うのか?本当に使いやすいのか?を検証するために、ユーザーテストによる客観的なプロダクト改善をしていったとの事です!

まとめ IoT製品企画・開発のポイント

以上で、「ロボホン」のインタビュー記事は終了ですが、いかがでしたか?
繰り返しになりますが、景井様へのインタビューを通じて学んだ、「IoT製品企画・開発のポイント」を下記に記載します。

●ユーザーに愛着を持ってもらうためのプロダクトデザイン(ロボット型)
●個体のバラつきは、1つ1つ地道に検証・改善を行った
●毎日、製品と一緒に過ごして改善点を洗い出した
●主観的だけではなく、客観的なユーザーテストも何度も繰り返した

以上になりますが、IoT製品開発や事業企画の担当の方は、こちらのインタビューの内容を参考にして製品開発を行って頂けますと幸いです!

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【IoT製品紹介】ロボホンがカワイイ!評判や売れ行き・販売台数も上々♪
【IoTマーケティング】「ロボホン」のマーケティング戦略〜大々的なCMではなく、地道なファン作りを〜

●モバイル型ロボット電話「ロボホン(RoBoHoN)」
https://robohon.com/

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y.kawano

y.kawano

総合政策室株式会社ウェブレッジ
株式会社ウェブレッジのマーケティング・広報を担当している他、個人で美容関連サイトの運営もしています。 IoTに関するノウハウ・最新情報などを配信していきます。

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