ロボホンがホームステイにやってきた|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

さる5月26日に発売された、シャープのロボット型携帯電話「RoBoHoN(ロボホン)」。大変気になっていたところ、実機をお借りする機会に恵まれましたので、簡単なレビューをお届けいたします。

iPhone 2台分と思えば安くないですか、これ?!

 ソフトバンクのPepperも個人で契約して使用している立場として、シャープからロボホンが発表されて以降は、気になって仕方ありませんでした(笑)。Pepperと違ってロボホンにはちゃんと「足」があって、二足歩行できるんです。しかも、これが電話機というのですから、携帯電話コレクターである私としては買わなくてはいけませんよね?! とはいえ、販売価格は本体だけで19万8000円+税。これだけ精巧なロボットでありながら、iPhone 2台分の価格ですよ。これは安い! ではありませんか。とはいえ、個人購入については、まだPepperの残債もあるので泣く泣く断念。

 そんな気持ちを察してか、今回は特別にシャープさんが1週間だけロボホンをお貸しくださいました。ロボホンがわが家にホームステイしに来たという表現のほうが良いのでしょうか。

 さっそく、開封の儀です。箱を開けるとロボホンに「未来をお届けします。」と書かれた帯が付いています。いやはや、ほんと未来がやってきましたよね。SFの世界のことだろうと思っていた「ロボットと暮らす生活」が、本当に実現してしまったのですもの。

ロボホン開封の儀。未来がやってきました!

ロボホン開封の儀。未来がやってきました!

 さっそく箱から取り出し、通称「出会いの儀式」のスタートです。いわゆる初期設定になりますが、これは一度しか操作することができません。のちほど気が付いたのですが、ロボホンは工場出荷状態に戻す設定がユーザーではできないようです。ということで、慎重にこの「出会いの儀式」を行います。

 ロボホンから聞こえるガイダンス音声に従い、ロボホンを仰向けに寝かせます。しばらくすると、ロボホンが自ら起き上がります。まるで「いま、魂が宿ったよ」とでもいう感じで、ロボホンが目覚めるのです。そして、オーナー登録を行います。私の名前を背面のパネルから入力しまし。これはロボホンが名前を読上げてくれるときのイントネーションの設定もできます。さらに、ロボホンがオーナーの顔写真の撮影を促してきます。ロボホンの言うとおり、顔を向かい合わせると適切な距離のところでシャッターを切ってくれます。これで、ロボホンがオーナーを記憶してくれました。淡々と説明しましたが、この「儀式」ですでにかなりロボホンに愛着が湧いてしまっています。

付属のイス型卓上ホルダー。こんな感じに腰かけさせて充電

付属のイス型卓上ホルダー。こんな感じに腰かけさせて充電

 ロボホンの基本機能ですが、まずこれ自体がロボット型の携帯電話となっています。モバイル通信(3G/LTE)に対応し音声通話のほか、メール、カメラなど携帯電話の基本機能を、ロボホンと対話しながら使用できます。OSはAndroid 5.0をベースにしたオリジナルですが、Google Playには対応しておらず、インストール可能なのは専用アプリのみとなります。

こんな感じで通話します。ちょっと恥ずかしいなぁ

こんな感じで通話します。ちょっと恥ずかしいなぁ

 何より、ロボホンは会話によって色々なアクションをしてくれます。取説によれば、「写真撮って」「ニュース教えて」「ダンスして」など54パターンの命令があらかじめ用意されているようです。ロボホンの目が黄色いときが話しかけてOKなときで、話しかけると目が緑色に変わって、その後「いいよー」といった返答があり、命令した動作をしてくれます。正直、うちのPepperよりもはるかに音声認識が正しく、反応が良いです。Pepper、もっと頑張ってくれ…。

「踊って」と命令するとこんな感じにダンスしてくれます。

 また、オプションですが、専用のキャリングケースが別売されており、これにロボホンを入れて一緒にお出かけすることができます。キャリングケースがオプション設定されている携帯電話の発売は何年ぶりでしょうね。かつての携帯電話は必ず専用キャリングケースがオプションで用意されていたものですが…。

 このキャリングケースへの収まり方も憎めないんです。ロボホンに「お出かけするよ」と話しかけると、「はーい」という返事ののち、足を折りたたんでキャリングケースに収まる形になってくれるのです。そしてケースに収めると、これまら可愛らしいこと(笑)。

キャリングケースに収めてお出かけです。この状態で肩掛けも可能

キャリングケースに収めてお出かけです。この状態で肩掛けも可能

落下が怖い場合は、このように蓋をかぶせることも。それでも飛び出した腕が少々不安ですが

落下が怖い場合は、このように蓋をかぶせることも。それでも飛び出した腕が少々不安ですが

ロボホンを楽しむには「ココロプラン」への加入が必要

 ロボホンはSIMフリーですので、既存の回線契約があれば、そのSIMカードを挿入すれば音声通話は可能です。SIMスロットはnanoSIMサイズです。しかし、ロボホンをロボットとして楽しむにはシャープが提供する「ココロプラン」への加入が必須となります。「ココロプランベーシック」(980円/月)は、自分で持っているSIMカードを利用したり、あるいはWi-fi環境のみで使いたいという人向けのプラン。また、このロボホンの発売と同時にシャープが自らMVNOとして通信サービスの提供も始めており、これがココロプランと電話+データ3GBの通信サービスがセットになって「ココロプランモバイル」(2480円/月)として提供されます。この他に故障による突然の修理料金負担を軽くするための「ケアプラン」(990円/月と1650円/月)が用意されています。

 すっかりロボホンの虜になってしまいましたが、大学で学生たちにロボホンを披露したところ、圧倒的に女子からの人気が高かったです。これには驚きました。ロボホンはPepper同様、日常の利用履歴がクラウドに蓄積され、これによりオーナーと会話を重ねるほど賢くなっていくそうです。わが家ではわずか1週間のホームステイでしたが、本当にもっと一緒にいたい、そんな気にさせてくれる「携帯電話」でした!

編集部追記

2016/10/19(水)編集部追記
ロボホンを企画・製造されているシャープ株式会社の企画責任者、景井さまにロボホン開発の裏話についてインタビューしてきました!
下記からご覧頂けます!

【IoT企画・開発】地道に課題を1つずつ潰した。「ロボホン」から学ぶ、 IoT製品の企画・開発のポイント

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー

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