ガラホ?それともスマケー? FREETEL「MUSASHI」を衝動買い|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

公開日: : 最終更新日:2016/07/04 モバイル研究家コラム, 木暮祐一のぶらり携帯散歩道

MVNOの台頭とともに、SIMフリースマホが日本でも普通にラインアップされる時代となって、とてもワクワクしています。好みの端末を回線契約に縛られずに購入できるのって、わずらわしさが無くて本当にありがたい限りです。そんなSIMフリースマホですが、あっと驚くギミックを持ち合わせた端末が登場してきましたよ! それがFREETELの「MUSASHI」。これぞ、究極のガラスマ(ガラパゴススマートフォン)?!

FREETELが攻めてきましたね

 かつてはSIMカードの販売を主軸にしてきたMVNO各社ですが、やはりわが国の場合は端末とセットでなければ顧客の新規開拓は難しいと感じたのでしょうか。このところMVNO各社が続々とSIMフリースマホを発売してくれて、筆者は嬉しい悲鳴を上げ続けています。しかもその端末の多くは、気軽に手を出せる価格帯に値段が押さえられているので、ついつい衝動買いが進んでしまうのです。

 中でもFREETEL(プラスワン・マーケティングのスマホ関連ブランド名)は、純和風な名前にこだわったスマホを続々と発売し、しかもそれらはみな「粋」な感じなモデルが多く、たびたび心を揺さぶられておりました。

 そのFREETELから、あっと驚く形状のモデルが登場してきました。その名は「MUSASHI」。写真をご覧いただければわかる通り、一見するとガラケーのような二つ折り型のスマホなのです。しかもタッチパネル液晶が贅沢にも2枚搭載され、折りたためば通常のスマホとして、開けばガラケーのように音声通話もできるし、キーボード操作も可能なスマホに変身するのです。内側のディスプレイももちろんタッチ操作が可能となっています。

 久しぶりに登場したキワモノに、思わず発売と同時にゲットしてしまいました。

この形状でAndroidスマホ

この形状でAndroidスマホ

 そのサイズですが、iPhone 5sと並べてみるとそのディスプレイサイズはほぼ互角。折りたたんだ状態でスマホとして使う分に、ディスプレイサイズは十分な大きさといえます。

iPhone 5sとの比較

iPhone 5sとの比較


iPhone 5sと比べ厚みはあります

iPhone 5sと比べ厚みはあります


 ということは、開いたときのその大きさこそ笑いが止まらないレベルとなります。なんだ、このバカでかいガラケーは(笑)

従来のガラケーと並べるとその大きさが際立ちます

従来のガラケーと並べるとその大きさが際立ちます


このバカでかさは自分の顔が小さく見えていいかも(^o^)

このバカでかさは自分の顔が小さく見えていいかも(^o^)

 購入したモデルはシャンパンゴールドですが、ほかにホワイトとブラックの全3色がラインアップ。OSはAndroid 5.1、CPUはクアッドコアながらクロック周波数は1GHzのMT6735Mで、内部RAMは1GB。スペックは抑え気味な感じですが、価格が24,800円(税別)ですから、コスパは十分でしょう。対応周波数帯域は4Gが2100MHz(Band1)/1800MHz(Band3)/900MHz(Band8)/800MHz(Band19)(いずれもFDD LTE)、3Gが2100MHz(Band1)/800MHz(Band6/19)/900MHz(Band8)。

 SIMカードスロットは2枚挿しです。アジア圏では当たり前のようになってきたデュアルSIMですが、こうした製品が日本でも入手できるようになったことは感慨深いです。これまでSIMロックが原則ということを貫いてきたMNOからは、デュアルSIM端末が販売されることなど考えられない話であり、わが国ではお目にかかることはないだろうと思っていたからです。これこそ本当の「自由」な時代の幕開けなのですね。

 しかしながら、現在市販されているほとんどのデュアルSIM端末は、3G以上のネットワークを同時に2回線使うことができないので、残念ながら日本国内ではデュアルSIMの意味を成しません。たとえば音声通話用の回線(SIM)と、安価にデータ通信ができるように契約したMVNOのデータ通信SIMを同時使用するといった使い方が理想的なのですが、いちいち切り替えが必要になってしまいます。GSM方式との同時待ち受けは可能ですので、海外でしたら音声通話SIMとデータ通信SIMの同時使用といった使い方が可能なのですが…。これは今後に期待です。

SIMカードが2枚挿入できます

SIMカードが2枚挿入できます


 SIMフリーといっても、MNOで利用可能なのは実質的にNTTドコモのSIMカードのみになります。auは非対応、ソフトバンクは契約内容次第ですが音声通話のみになってしまう場合があります。Y!モバイルは音声通話とデータ通信の両方とも利用可能ですが、旧イー・モバイル契約のSIMカードは音声通話のみになってしまうようです。せっかく端末側のSIMフリー化が進み出したのに、MNO側でネットワーク接続のところで色々と制約が出てくるなんて、ちょっと納得がいかない点ではありますね。

 一方で、NTTドコモのネットワークを使ったMVNOが数多く産声を上げていますが、データ通信をするのに必要なAPN設定が、このMUSASHIでは充実しています。本来、FREETEL自身がMVNOであるので、自社のAPNだけ用意するだけでも良いものを、他の主要なMVNOのAPNまであらかじめプリセットされていて、選ぶだけになっています。こういったオープンな姿勢は好感が持てますね。

主要なMVNOのAPN設定が用意されています

主要なMVNOのAPN設定が用意されています


 折りたたんだ状態で普通のスマホとして使えるのはもちろんですが、開いてガラケー式にキーボード操作からスマホの基本機能を使用できるというのも、よく作りこまれているなと感じました。本来のAndroidアプリの機能がちゃんとボタン操作に紐づけられています。オフフックボタンプッシュで画面のロックが解除され、数字キーを押せばただちに通話アプリが立ち上がり、音声通話発信画面になります。決定ボタンの左右をプッシュすれば発着信履歴が表示されます。長年ガラケーを使ってきた人がスマホに乗り換えるステップとしてこのMUSASHIを使うのもありですね。それまで使い親しんできた操作そのままでスマホの基本機能が使えます。もちろん、キーボードからすべてのアプリの操作ができるわけではありません。タッチパネルでの操作を基本としているアプリが大半ですから。そうした場合はディスプレイ面をタッチして操作してあげればOKなのです。

ガラケー感覚でスマホを操れます

ガラケー感覚でスマホを操れます


なんとストラップ穴もありますよ

なんとストラップ穴もありますよ


 何より、日本のユーザーを意識してこのガラケー風スマホを設計したなと唸らせてくれるのが、ストラップ穴の存在。ガラケーに必須のアイテムだったストラップが、昨今ではすっかり廃れてしまいました。改めて日本のケータイカルチャーを思い出させてくれた、FREETELの嬉しい心配りに感激ですね。

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー

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