まだまだ成長を続けるモバイルコンテンツ市場|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

公開日: : 最終更新日:2015/11/12 モバイル研究家コラム, 木暮祐一のぶらり携帯散歩道 ,

さる8月24日、モバイルコンテンツ配信事業を行う企業が参加する業界団体・一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(以下、MCF)が「2014年モバイルコンテンツ関連市場規模」という統計データを公表しました。この統計はモバイルコンテンツ業界黎明期から毎年調査・公表されているもので、いわば日本のモバイルコンテンツ動向の変遷を理解するうえでとても有益な情報源といえます。筆者もこの統計が公表されると必ず目を通してきましたが、2014年にはわが国のモバイルコンテンツ利活用が一段とスマートフォンへ移行していることを感じ取れました。

さらにスマートフォンへシフトが加速

 モバイルコンテンツ市場とは、携帯電話やスマートフォン上で利用するコンテンツやアプリの売上規模のことで、MCFは加盟企業への調査などを元に「モバイルコンテンツ関連市場規模」を統計データとして公表しており、これが日本のモバイルコンテンツビジネスの動向を知るためのスタンダードなデータとして活用されています。年単位での統計をまとめたもので、さる8月24日に最新データとなる2014年(1月~12月)の市場規模が公表されました。

 MCFでは、モバイルコンテンツ関連市場としてゲーム系、音楽系をはじめとしたデジタルコンテンツを有料配信する「モバイルコンテンツ市場」と、物販系、サービス系、トランザクション系の3分野で構成された「モバイルコマース市場」について、調査の結果を公表しています。この両市場を合算した「モバイルコンテンツ関連市場」の合計は対前年比130%の3兆9,046億円! まだまだ成長が続いている業界ということがうかがい知れます。

 また、iPhone発売開始以降、従来のフィーチャーフォン上で利用するコンテンツ市場と、スマートフォン上で利用するコンテンツ市場を分けて算出してきましたが、年々スマートフォン上でのコンテンツ市場が急成長を遂げていく一方で、フィーチャーフォン向けのコンテンツ市場は縮小を続け、2012年から2013年にかけてその構成比が逆転、そして2014年に至ってはスマートフォン市場が9割近くを占めるようになりました。まさに急激にモバイルコンテンツ利用がフィーチャーフォンからスマートフォンへシフトしていったことが分かります。しかも、単にスマートフォン利用にシフトしただけでなく、引き続き市場規模は拡大し続けているのです。まだまだモバイルコンテンツビジネスは成長分野であると言えるのでしょう。

モバイルコンテンツ市場規模(出典:MCF)

モバイルコンテンツ市場規模(出典:MCF)

依然として高い伸びを示すソーシャル・ゲーム等市場

 MCFの「2014年モバイルコンテンツ関連市場規模」から、スマートフォン向けのモバイルコンテンツ市場内訳を見てみましょう。MCFではフィーチャーフォン向け市場の内訳や、モバイルコマース市場に関してもデータを公表していますが、もはや主流となっているのはスマートフォン向けのモバイルコンテンツ利用ですし、その市場で拡大しているジャンルを知っておこうという趣旨です。

 図2をご覧のとおり、圧倒的な売上比率を誇っているのが「ゲーム・ソーシャルゲーム等市場」で、2013年の5,597億円から、2014年はさらに8,938億円まで成長を遂げています(対前年比160%)。市場全体(1兆3,026億円)のうち、68.6%を「ゲーム・ソーシャルゲーム等市場」が占めています。日本は依然としてゲーム市場が強いことに驚かされます。

 このほか、動画・映像配信市場も売上高1,318億円で対前年比137%の伸び、音楽コンテンツ市場も売上高692億円で対前年比174%といずれも拡大を続けています。参考までに、2013年と2014年それぞれに対前年比の数値が記載されていますが、これを見ると2012年から2013年にかけての伸び率のほうが高いことも分かります。フィーチャーフォンからスマートフォンへの買い替えが進んだことも言うまでもないでしょうが、通信インフラの進化、すなわち2012年から2013年にかけてLTE等の4Gネットワークが充実したことと、それに対応する最新スマートフォンのスペックアップ(CPU性能の向上やディスプレイの大型化・高精細化、省電力化)もコンテンツ市場発展に大きく貢献しているのではないかと考えます。

スマートフォン等市場の内訳(出典:MCF)

スマートフォン等市場の内訳(出典:MCF)

 別の機関のデータになりますが、米調査会社のアップアニーが世界市場でのコンテンツベンダー(パブリッシャー)別の2015年1月時点でのGoogle Playにおける売上高ランキングを公表していました。これによると、世界ランキング上位10位内に、日本企業が5社も食い込んでいることがわかります。人気ゲームタイトルでいえば、ガンホー・オンラインの「パズル&ドラゴンズ」が不動の人気を保っており、これに続いてLINEの「LINE POP」が続いていましたが、2013年9月に登場した「モンスターストライク」(モンスト)を擁したmixiが大ヒットとなってランキングに食い込んできたなど、ランキング順位は常に変動を伴っているようです。ただ、いずれにしても売上高が高いコンテンツといえばゲーム、ソーシャルゲームが中心。いずれのコンテンツベンダーも日々の創意工夫で収益を出し続けていることと思いますが、いつかユーザーが飽きてしまってソーシャルゲームバブルが崩壊するようなことが起きなければよいなと少々心配になってしまいますね。

世界ゲームパブリッシャーランキング(2015年1月/GooglePlay売上高)(出典:アップアニー)

世界ゲームパブリッシャーランキング(2015年1月/GooglePlay売上高)(出典:アップアニー)

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー
IoT品質検証

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