埋蔵携帯が総額1兆6,489億円?! |木暮祐一のぶらり携帯散歩道

公開日: : 最終更新日:2015/09/08 モバイル研究家コラム, 木暮祐一のぶらり携帯散歩道 , ,

中古スマートフォン、中古携帯市場が活況をみせています。5月から義務化されたSIMロック解除義務化の動きや、これを商機とばかりに続々とMVNO(=Mobile Virtual Network Operator、いわゆる格安SIM事業者)が参入したこともあるでしょう。そして、MVNOと組み合わせて利用するスマートフォンが求められることで、中古スマートフォン流通網もますます充実してきました。そんな中古スマートフォン流通の大手に君臨しつつあるゲオホールディングスは、このところ販売・買取のスマートフォン別シェアランキングを発表しています。

人気は依然としてiPhone

 ゲオホールディングスが8月10日に公表した2015年7月度の中古端末販売・買取データによれば、まず販売シェアでは上位51.5%はiPhoneが占めています。それに続くのがドコモ GALAXY S4 SC-04Eで2.4%、次いでドコモ Xperia A SO-04Eで2.0%、そしてその他のXperiaシリーズ、その他のGALAXYシリーズ、その他のAndroidと続きます。iPhoneはキャリア別、世代別にもう少し細かく分類こそされていますが、いずれにしてもiPhone強しといった感じです。

 一方、買取シェアも同じようなもの。買取では「その他のXperiaシリーズ」のシェアが高めな一方、「その他のGALAXYシリーズ」が少し割合が低い程度でしょうか。実際に各通信キャリアにおける販売状況を見ていても、GALAXYは日韓関係の悪化もあるのか低調気味な一方で、Xperiaは様々な販売インセンティブも乗せられているのか順調に売れているようです。

 中古端末流通業界の関係者にヒアリングしても、みな「iPhoneが流通の中心である」と口を揃えます。さらには「Androidなど中古ではもはや価値が無い」などという声もちらほら。Andoridでは2年も前の機種になると見向きもされませんが、一方で販売開始から2年を経たiPhone 5はいまだにランキングの上位を占めています。中古車市場にも人気車不人気車はあり、当然人気車であれば多少長期間所有した後に売却しても値落ちが少ないので有利ということがありますが、同じことがスマートフォンでも言えるようで、中古スマートフォンとして将来買取に出すことを考えれば、人気機種に狙いを定めて購入することが重要になってくるのでしょうか。

 さらにいえば、SIMロック解除が義務化されたといっても、MVNO(格安SIM)の大半はNTTドコモのネットワークを利用するものです。ということは、端末の相性としても、NTTドコモのスマートフォンのほうが後々売却時にお得そうですね。

中古スマートフォンTOP100の内訳

中古スマートフォンTOP100の内訳(ゲオホールディングス公表データより)

初めて聞いた“埋蔵携帯”という表現に驚いた!

 ゲオホールディングスはこのほかに、同社が在庫として保有する端末の大雑把なシェアを公表しています。やはり在庫の中心はスマートフォンでシェアは70%、次いでタブレットが20%。一方フィーチャーフォンも10%のシェアで在庫を持っているそうです。

ゲオホールディングスの中古端末種類別在庫内訳

ゲオホールディングスの中古端末種類別在庫内訳(ゲオホールディングス公表データより)

 ゲオホールディングスの公表資料によれば、「昨今のMVNOニーズの背景もあり、通話にはガラケーを利用し、格安SIMでスマートフォンを利用されるお客様が増えてきております。フィーチャーフォンは、販売日に関係なく、馴染みがある、使いやすさ等の観点から、幅広く人気があります。」とのこと。確かに昨年3キャリアが横並びで導入した新料金プランは音声通話が定額(基本使用料のみ)となったのが大きな特徴ですが、そのプランに組み合わせて高いパケット通信料を払うのであれば、MNO(大手通信キャリア)の回線契約は音声通話用と割り切り、スマートフォン等データ通信はMVNOのSIMを有効活用して、2台持ちするというのが賢そうです。

 それよりも驚いたのは、ゲオホールディングスは関西大学大学院会計専門職大学院の宮本勝浩教授の協力のもと独自調査を行い、現在は使っておらず自宅に保管している携帯電話が総額1兆6,489億円の価値があると試算しています。しかもこの“現在は使っておらず自宅に保管されている携帯電話”を「埋蔵携帯」と名づけてしまいました。さらに、2年縛り契約期間の緩和やSIMフリー端末の台頭等とも重なり、将来的には“埋蔵携帯”の台数は600万台まで拡大するのではと予測を立てています。

 うーむ、私の自宅にはおよそ1000台を超える埋蔵携帯(?)がありますが、残念ながらすでに現行ネットワークに対応していない骨董機種ばかりなので、資産価値はないですな(泣)。

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー

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