グループの屋外活動に便利な「Life360」|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

公開日: : 最終更新日:2015/07/10 モバイル研究家コラム, 木暮祐一のぶらり携帯散歩道

放任主義の筆者は、大学のゼミでも学生主体の自主運営を推奨しております。そんななか、ゼミ3年生からフィールドリサーチ(学外活動)の提案が。もちろん筆者も大学にこもっていないで、積極的に学外に出たいと常々考えていますが、安全上、大人数の学生の行動を把握しておくにはやはりスマホの位置情報を有効に活用したいところですね。その最適なアプリ「Life360」を見つけましたのでご紹介しましょう。

ゼミ生の居場所をリアルタイムモニタリング

 筆者は「地域みらい学科」という学科に所属し、教育・研究活動にあたっていますが、なかでも最大の特徴は地域でのフィールドリサーチ活動を中心としたゼミ(演習)が取り入れられていることです。かなり放任主義な筆者は、ゼミ生たちに自主的にフィールドリサーチ活動を企画・実施させています。とはいっても、ゼミ活動は授業の一環でもありますので、まったく放ったらかしておくわけにはいきません。

 先日、ゼミ3年生たちから「海峡で向き合う青森市と函館市の観光施策やICT施策の違いを理解するために、函館市にフィールドリサーチに出かけたい」という提案がありました。函館といえば駅前の朝市といい、新鮮な魚介類など、魅力的なところがたくさん。この提案、即、快諾です(笑)

 当然、筆者も学生たちとある程度行動を共にしますが、3年生だけでも11名居ますので、すべての学生に目を届かせるのはなかなか難しいことです。しかも今回は目的別に4つのグループに分かれて行動を取るということ、さらに交通費は自費になるため、現地集合・現地解散としてそこまでの交通手段は各自に任せたこと(最安のフェリーであれば青森~函館が片道1,690円なのに対し、JRを使うと4,970円もかかります。学割ならもう少し安いですが)などもあり、個々の学生たちの動きをどう把握するかあれこれ考えていました。

 もちろん全員がスマホを持っていますので、GPS等を使って個々の居場所が分かるアプリを使えば簡単なことですね。居場所を探索できるアプリを検索したところ、思いのほかたくさんのものがあることが分かりましたが、その中で採用したのは米国のスタートアップ企業「Life360,Inc.」が提供している『Life360』というアプリ。やはり位置情報というシビアな個人情報を扱うので、ある程度信頼できる企業が提供していることを重視しました。この「Life360」は、日本ではヤフーが提携し、ヤフーによって日本語化対応やサービスのプロモーションが行われています。いずれにしてもスマホアプリは提供者に様々な情報を収集されてしまう懸念は常に拭えないわけですが、まあヤフーに情報収集される分には、収集された情報はそれなりのコンプライアンスで取り扱ってもらえるだろうという期待をこめて、このアプリを採択しました。そのほかにも、人数登録制限無し(アプリによっては10人以内であるとか、各種制約のあるものもありました)という点や、グループ内や個々のチャット機能、無料通話機能、そして万が一の際の「緊急通知」など、各種機能が豊富な点も決め手に。

今回試すことになった「Life360」アプリ

今回試すことになった「Life360」アプリ。iOS、Android共に対応しています。

 ともあれ、嫌がるゼミ生を「フィールドリサーチ活動の際だけの利用に限定する」ということで口説き落として、ほぼ全員のスマホにこのアプリをインストールしてもらいました。そしてまずは筆者が「木暮ゼミ」なるグループを作成、その後ゼミ生をグループに招待していきます。招待する際にはアプリをインストールしたスマホの電話番号が分かればOK。筆者はテストもかねてドコモ契約のAndroid端末と、ソフトバンク契約のiPhoneの両方にインストールし、試してみました。

Life360アプリ概要と活用の実際

 今回選定した「Life360」アプリは、米Life360,Inc.が提供し、日本ではヤフーが支援しているものです。AndroidとiOSの両方に対応しています。GPSを用いた位置情報共有の下で次のことができます。まず「完全招待制」で位置情報を共有するサークルを作ることができ、お互いの位置をマップ上に表示できます。「サークル」は複数作ることがき、また登録されたユーザーはサークルごとに位置情報を共有する/しないを選択可能です。またサークル内のメンバーと1対1、または全員とチャットができます。また目的地を設定することで、メンバーが目的地に到着すると通知がどときます。当たり前ですがスマホの盗難や紛失などで行方がわからなくなってもその追跡ができます。また緊急通知機能があり、「緊急通知」ボタンをタップすると10秒後に「サークル」の全員に一斉緊急通知が届きます。

 筆者は複数のスマホを同時使用していますが、今回はドコモ契約のAndroidスマホがサークルオーナーとなり、ソフトバンク契約のiPhoneおよび、学生たちの端末が招待されたメンバーという形になっています。以下の説明では筆者のAndroid端末画面とiPhone画面が混在しますがお許しを。

サークルを作成後、メンバー登録を行います。ディスプレイ下部にある「追加」ボタンを押すとアドレス帳一覧が表示され、アドレス帳から登録したいメンバーをタップすればOK。この画面のように「手動で情報を入力する」こともできます。この際は電話番号と名前(ニックネームでも可)を入力するだけ。
サークルを作成後、メンバー登録を行います。ディスプレイ下部にある「追加」ボタンを押すとアドレス帳一覧が表示され、アドレス帳から登録したいメンバーをタップすればOK。この画面のように「手動で情報を入力する」こともできます。この際は電話番号と名前(ニックネームでも可)を入力するだけ。

フィールドリサーチ活動当日、ようやくゼミ生数名の登録が終わって、各位の居場所を確認
フィールドリサーチ活動当日、ようやくゼミ生数名の登録が終わって、各位の居場所を確認。じつは筆者が遅刻し、フェリーで先行する学生たちをJRで追いかけていきます。

位置に誤差があるのは位置情報取得時間のタイミングがずれているからでしょう。
移動中に、登録メンバーが次々に参加し、画面が賑やかになってきました。筆者も青函トンネルを抜けJRで移動しています。筆者が2つありますが、前述のとおり2台のスマホを持っているからです。位置に誤差があるのは位置情報取得時間のタイミングがずれているからでしょう。

そしてようやく函館駅到着。
そしてようやく函館駅到着。すみません、ワタシだけ集合時間に遅刻しました(スミマセン)。「先生、待ちくたびれたよ」の一声の後、市場で昼食、そしてグループごとに別れて活動開始です。

このアプリには「緊急通知」機能があります。
このアプリには「緊急通知」機能があります。画面上の「緊急」を押すと、10秒のカウントダウンが始まり、その後サークルメンバー全員に一斉通知が届きます。緊急通知を試してみたらこんな表示に。残念ながら誰も助けに来てくれませんでした(泣)。

グどのメンバーがどのあたりに居るか分かって便利ですね。
グループ別フィールドリサーチ開始。どのメンバーがどのあたりに居るか分かって便利ですね。私は「みんな頑張れー」とばかりに手を振って、メンバーの活動をスマホ画面上で追いかけていればOK。

メンバーとのチャット機能や通話機能も備えられていて便利
メンバーとのチャット機能や通話機能も備えられていて便利です。昼に集合した後、各グループごとにフィールドリサーチを実施、その後集合はなく現地解散という感じでしたが、学生たちの状況は随時確認できて便利。

いよいよ帰途に。
いよいよ帰途に。すでにフェリーで津軽海峡上に居る学生たち、そしてまだ函館に居る筆者やその他の面々など。

学生各位が順次グループから去っていきました(位置情報消滅)。

21時を過ぎ、まだ函館を堪能しているメンバー、青森港に戻れたメンバー、まだ海上のメンバー、そしてまたまたJRで地上を移動している筆者などなど。この後、演習終了ということで、学生各位が順次グループから去っていきました(位置情報消滅)。

 ということで、これは修学旅行のグループ活動であるとか、家族の見守りなど、色々な用途で使えそうです。位置情報も多少の誤差や時間差はありますが(メンバーのアイコンをタップするとその位置情報が何分前のものかが表示されます)、ほぼ正確に居場所を把握でき、大変便利でした。そしてメンバーのアイコンをタップすれば個々のチャットや無料通話も可能ですし、グループ全員でのチャットも便利です。緊急通知もいざというときに役立つでしょう。今回のフィールドリサーチは事故もなく無事に全員が帰宅できましたが、いつどんなアクシデントに遭遇するかわかりません。そんなときには緊急通知も役立つでしょう。ただ難点を言えば、位置情報の通知頻度が多いためでしょうか、電池消費は非常に大きくなります。予備バッテリー等の所持が必要ですね。万が一、スマホが電池切れになると、最後に位置情報通知した場所にアイコンが取り残されます。一瞬「大丈夫か?!」と焦ったりするのですが、アイコンをタップして位置情報取得時刻をチェックし、なるほど電池切れねと納得して安心するわけです。

 夏休みにも、ゼミ生たちとフィールドリサーチに出かけますので、その際にはまた試してみたいと思います。このアプリの試用に協力してくれたゼミ生たちにも感謝します。

おまけ。青森も函館も、海の幸、山の幸に恵まれています。ぜひ遊びにいらしてくださいね。

おまけ。青森も函館も、海の幸、山の幸に恵まれています。ぜひ遊びにいらしてくださいね。

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー

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