シャオミを超えた!?中国メイズのスマホがスゴイ|山根康宏のワールドモバイルレポート

2014年の世界のスマートフォン市場の大きな話題と言えば、中国の新興メーカー「シャオミ(Xiaomi、小米科技)」の躍進だった。中国国内で瞬く間に販売数を伸ばし、一時は国内シェアでも1位に、そして世界シェアでもサムスン電子とアップルに次ぐ3位の座に付けるほどの成長を遂げた。現在は着々と海外市場進出を進めており、この先どこまで販売数を伸ばしていくのか大きな注目となっている。

シャオミを抜く人気のメイズとは?

だがそんな飛ぶ鳥を落とす勢いのシャオミよりも、今中国で話題となっているメーカーがある。それが「メイズ(Meizu、魅族科技)」だ。メイズの名はまだ世界であまり知られてないが、中国ではすでに多くの消費者に知られているブランドだ。そのメイズのスマートフォンはハイエンドの『MX』シリーズと、低価格の『m1』シリーズの2つのライン。だがハイエンドモデルは大手メーカーを超えるスペックを搭載、低価格モデルは他社のハイエンド品レベルの性能と恐るべき製品となっているのである。

中国で今人気急上昇中のメイズ

中国で今人気急上昇中のメイズ

まずもっとも中心に位置する製品が『MX4』だ。5.36インチディスプレイの解像度はフルHDを超える1152×1920ピクセル、カメラは2000万画素を搭載しながら価格は1799元(約3万4300円)。これに対しシャオミのフラッグシップモデル『Mi4』は5インチフルHDディスプレイに1300万画素カメラ、にも関わらず価格は1999元(約3万8140円)だ。実はメイズはシャオミのこのMi4の発表から2か月後にMX4を発表しており、あえてシャオミを下回る価格をぶつけてきたのだ。

シャオミよりハイスペックで低価格なメイズMX4

シャオミよりハイスペックで低価格なメイズMX4

過去にさかのぼればメイズの創業はシャオミより古い2002年で、当初はMP3プレーヤーなどを手掛けていた。初のスマートフォンも2009年に発売、これはシャオミの2011年の初代モデルより2年も早かったのだ。なおシャオミの創立は2010年である。このように早くからスマートフォンを出していたメイズはシャオミが登場する前まで「中国スマートフォンの顔」だったのだ。メイズのスマートフォンは価格が2499元(約4万7630円)でスペックも高かった。

ところが1999元と言う、お買い得感を十二分に感じられるシャオミの値段設定に消費者は熱狂し、しかもシャオミは「ソニーのカメラ」「シャープの液晶」など大手メーカーの部品を使っていることを大々的に公言。さらにはオンラインで限定販売することで人気に一気に火が付き、今では中国を代表するスマートフォンメーカーの座を我が物にしているわけだ。

もはや敵なしとまで言えるシャオミに対し、メイズがより低価格かつハイスペックなMX4を投入したのは「元祖中国スマホの顔」としての意地があったのだろう。だがメイズはそれだけでは手を緩めず、立て続けに上位モデルの『MX4 Pro』も昨年秋に発売している。

低価格かつハイスペックなMX4 Pro

価格は2499元。従来のメイズ製品と同じ価格だが、最強ともいえるスペックを備えている。ディスプレイは大手メーカーの上を行く2K越えの1536×2560ピクセル、5.5インチを採用。RAM 3GBやフロントカメラ強化、指紋認証など同価格帯の製品としては群を抜く性能を誇る。この2つの製品の登場で、メイズへ最注目する中国人の数が一気に増えたのである。

低価格なハイスペック品はアップルもライバル

一方のm1シリーズは、5.5インチフルHDディスプレイ搭載で999元(約1万9060円)の『m1 Note』と、5インチ768×1280ピクセルディスプレイ搭載で699元(約1万3320円)『m1』の2種類。この2機種もターゲットはシャオミの製品なのだ。

中国国内でシェア1位にもなったシャオミだが、売れているのは前述したハイエンドのMi4ではなく、1000元を切る低価格の『RedMi』『RedMi Note』の2製品なのだ。この2つのRedMi製品は中国国内のスマートフォン売り上げの断トツ1位と2位であり、3位以下を大きく引き離している。実は中国ではこの価格帯の製品に人気が集中しているのである。

中國シェアNo.1になったシャオミ。だが売れているのは低価格なRedMiシリーズだ

中國シェアNo.1になったシャオミ。だが売れているのは低価格なRedMiシリーズだ

このうちRedMi Noteのディスプレイは5.5インチHDで、m1 Noteを下回っている。しかもLTEの対応でもm1 Noteのほうが上回っており、低価格モデルでもメイズはシャオミを超えるコストパフォーマンスの高い製品をぶつけてきたのである。

そして先に発表されたm1 Noteの本体カラーはパステル系の白、黄色、緑、青、ピンクの5色。これはiPhone 5cを彷彿させる色合いだ。さらに次に出してきたm1にはミントブルーも加えた6色展開とした。そもそもiPhone 5cは中国など新興国向けの低価格モデルとして開発されたとも言われていたが、蓋を開けてみればiPhone 5sとの価格差は少なく、新興国で徐々に人気を集めていた1万円台のスマートフォンとは勝負にならなかった。もっともiPhone 5cは「カラフルなiPhone」ということで世界中から一定の支持を受けている。

iPhone 5cを超える6色展開のm1。しかも低価格でハイスペック

iPhone 5cを超える6色展開のm1。しかも低価格でハイスペック

m1とm1 Noteのカラフルなボディーと格安な価格設定を見ると、まるで「中国で売るならこれくらいのことをしないとだめですよ、アップルさん」とメイズが挑戦状をたたきつけているようにも見える。単に本体カラーをコピーするならどのメーカーにもできるだろう。だがm1 Noteは後から出てきた製品とはいえ、価格はiPhone 5cの1/3以下で性能も上回っている。

シャオミは今、インドや東南アジアなどの新興国・途上国へ積極的に参入を始めている。数を出すことでより単価を下げ、さらなるコストパフォーマンスの高い製品を出そうと必死になっている。一方のメイズは海外進出はまだ数カ国程度であり、販売総数もシャオミには遠く及ばない。

だがシャオミよりもスペックが高く価格は同程度か安いとあれば、いずれ世界中から引く手あまたという状況になるだろう。何か面白いスマートフォンは無いだろうかと探している人は、ぜひ一度メイズのスマートフォンに触れてみてほしい。

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山根 康宏

山根 康宏

香港在住15年。海外展示会取材や海外市場調査のため1年の半分を 海外で過ごす。2003年に前職を退職し同年に携帯電話研究家として独立。 香港を拠点にフリーランスの活動を開始する。消費者目線でのコラムやレポートを執筆する他、 コンサルティング活動も行っている。 週アスPLUS『山根博士の海外モバイル通信』、 ITmedia『山根康宏の中国携帯最新事情』、CNET『中国トンデモケータイ図鑑』など、 メディアでの連載多数。 携帯電話をこよなく愛しており、海外出張時は現地端末やプリペイドSIMを必ず購入、 それらのコレクターでもある。 収集した海外携帯電話の台数は約1300台、SIMカードは約500枚(2014年6月時点)。 株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー

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