曲面ディスプレイを見事に応用した「Galaxy Note Edge & Gear S」ファーストインプレッション|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

10月23日より、NTTドコモはサムスン電子製の「Galaxy Note Edge(SC-01G)」および、腕時計型ウェアラブル端末「Gear S」を発売開始しました。筆者はこれまでも、歴代Noteシリーズを愛用してきており(もちろん、それ以外のスマートフォン端末やタブレット端末も併用していますが)、この新Noteを心待ちにしておりました。即日入手してからようやく1週間ほど(執筆時点で)経ったところですが、両端末が思いのほか完成度が高く、iPhoneシリーズとの比較においても色々と考えさせてくれることがあったので、このコラムにて記させていただきます。

一部曲面ディスプレイを採用したNote Edge

 Galaxy Note Edgeの最大の特徴は、ディスプレイ右端が曲面になっている特異な形状にあります。韓国ではサムスン電子、LGエレクトロニクスの両社が競うように曲面ディスプレイ製品を競っていまして、春先に韓国・ソウルに赴いた時も家電量販店店頭では両社の曲面ディスプレイを採用した大型テレビなどが最も目立つところに配置されていました。この曲面ディスプレイをGalaxy Noteシリーズにも落とし込んで来たということになります。

 Galaxy Noteシリーズは、その名の通り大型ディスプレイを採用したファブレットとスマホの中間ぐらいの絶妙なサイズで、Noteという名称が付けられている通り付属のペン(スタイラス)を使って直ちにメモ書きができたり、スマホ上の各操作ができる、まさに「電子版の手帳」のような役割を果たす端末でした。初めてGalaxy Noteが発売されたときはそのディスプレイの大きさに驚いたものですが、その後主要なスマホが次々に大型ディスプレイ化していって、あまりNoteの際立った大きさが目立たなくなってきた昨今です。しかしながら、Noteシリーズは、あくまでも「電子版の手帳」のスタンスを貫き、ペン操作の対応を継承した、一貫したコンセプトを貫いた、尖ったシリーズといえます。

 ディスプレイが大型化してきたといえば、先日発売されたiPhone 6 Plusには、かなりがっかりしました。iPhone 6 Plusは重ね合わせるとGalaxy Noteシリーズとほぼ同サイズです。だからこそ期待していたのですが、実際には従来のiPhoneのインターフェイスや操作性をそのまま継承し、いわば「画面が大きくなった」だけに過ぎません。今後、この大画面を活かしたアプリも現れるのでしょうが、現状はまるで「らくらくiPhoneか?」といった感じです。このサイズのディスプレイになると両手操作を前提にするか、Noteシリーズのようにペンの併用を考えるなど、利用目的をもっと絞り込んで、インターフェイスを工夫すべきと考えますが、正直なところiPhone6 Plusのコンセプトは見えてきません。

 では、Galaxy Noteシリーズの操作性が優れていたかというと、ここも割り切りが必要でした。やはり片手操作はかなり厳しい端末で、利用目的が多少絞られる端末でした。筆者の場合、ニュースやメール・スケジュールチェックなど「閲覧」系の利用は主としてGalaxy Noteを使い、ソーシャルやメールの返信などの文字入力を伴うコミュニケーション系機能の活用はiPhone 5またはiPhone 5sを使用してきました。片手で操作できる限界のサイズがiPhone 5/5sのサイズという認識です。

 ところが、今回発売開始したGalaxy Note Edgeは、ディスプレイ右端に曲面液晶を採用し、この曲面部分に独自の操作窓「アプリのショートカットが並んだり、とっさに使う機能のメニューを表示させたり、スリープ中にメールやメッセージ着信、音声通話着信があった場合の通知など」としたことで、主要な操作を「片手」で利用できるようにしたところが画期的に感じました。

 曲面部分に並べられるアイコンはユーザーのほうで設定できますし、複数のアイコンを切り替えるには右手親指で曲面部分を左右にスワイプすることでクルクルと曲面部分が回転し、目的のアイコンを探すことができます。曲面部分上部から下にスワイプすると、録音機能やタイマー機能、ライトなど、ちょっとしたときにすぐに起動したい機能が並んでいます。この端末形状を活かした定規機能も便利そうです。

ディスプレイ右端の曲面部分をスワイプすると、主要な機能の呼び出しが可能。大型ディスプレイのGalaxy Note Edgeを片手で操作できるように工夫されているのだ!

純正専用カバーを取付けても、曲面ディスプレイ部分が見えている。メッセージや通話の着信時はこの「Edge」部分だけで操作できてしまう。

 スペックデータとしては、約5.6インチのSuper AMOLED液晶で、ディスプレイの解像度(エッジスクリーンを含まない)は2560×1440、エッジスクリーン部分は2560×160となっています。OSはAndroid 4.4搭載、RAMは約3GB、ROMは約32GB、バッテリーは3000mAh。毎日フル充電して家を出ますが、頻繁にソーシャルメディアやマップ機能などを使うと電池消費が激しいですが、なんとか朝から晩まで電池が持ってくれるという感じでしょうか。

Gear Sは、じつは究極の音声通話端末だった?!

 Galaxy Note Edgeと同時発売となった、腕時計型ウェアラブル端末「Gear S」は、見事にグッときてしまいました。この手のウェアラブル端末は色々使ってきました。腕時計型も相当以前から各社のものを試してきていました。このところはサムスン電子製のGearシリーズを一通り使ってみましたが、正直なところ大型の腕時計は要らないから、最小限の表示(通知機能)に留めたディスプレイ付き端末が便利だなと感じていたところでした。ですので、Gear S発売までは、Galaxy Note 3 + Gear Fitという組み合わせで使用してきましたが、このGear Sはそうした考え方をも払拭する魅力的な機能を備えたウェアラブル端末でした。

 その機能とは、ずばり「音声通話」機能!

 従来の腕時計型ウェアラブル端末で利用できたスマートフォンとの各種連携機能はもちろん利用できる上で、Gear Sは端末そのものに「3G通信機能」を備えており、端末本体にSIMカード(nano SIM)を装着して単体で音声通話やSMS、メール等の送受信ができてしまうのです。いわば、究極の「音声通話端末」の登場です。しかも、その形状はSF映画のあの世界そのものです。腕に向かって話しかけるのですよ!

Gear S

Gear S本体。端末部分からバンド部分を取り外すことも可能なので、将来もっとおしゃれなバンドの登場にも期待したいものです。

Gear SのSIMカード挿入口

Gear S単体に3G通信機能を備え、端末背面にSIMカードを挿入することで携帯電話としても活用できます

Gear SのSIMスロット

SIMスロット部分は、SIMの蓋となる部分にnano SIMカードを装着し、本体のSIMスロット部分に押し込みます

「Gear S」の電話発信画面

これが「Gear S」の電話発信画面!

 ノイズキャンセリングの技術も相当向上しているのでしょうか、ハンズフリーで、腕に向かって話すような使い方でも通話相手には明瞭に自分の音声が届きますし、周囲が静かな環境であれば相手の音声もはっきりに聞こえます。さすがに街中の喧噪の中では、相手の声が聞こえづらいので、Bluetoothヘッドセットなどの併用も必要といえそうですが、今はせっかくなのでSF映画さながらの音声通話を心がけています。

 なお、Gear SはあくまでもGalaxyシリーズのアクセサリーという位置づけで、端末単体で購入できてしまうのが嬉しい限りです。ドコモショップのほか、ドコモオンラインショップでも購入が可能です。

 ちなみにGear Sは3G通信のみのサポートですので、Gear Sを音声通話用に活用するのであれば、NTTドコモではFOMA回線として契約することになります。たとえば発信主体に使うならば、ガラケー用かけ放題プランの月額2200円で運用できますし、通話着信用とするならば月額743円のタイプシンプルでの契約も可能です。SPモード(月額300円)を契約すれば、メール等のパケット通信も利用できるようになるそうですが、スマートフォンを併用するのであればGear Sでのパケット契約は無用でしょう。また、回線契約と共に購入する場合は、月々サポートこそ適用はありませんが、Gear S本体を12回または24回の分割払いで購入することも可能だそうです。

 Gear Sの主要な機能ですが、時計としての表示はアナログ(針)表示タイプが4種類、デジタル表示タイプが9種類プリセットされています。時計のみでなく、デュアルタイム表示タイプや、歩数、スケジュール、天気などを同時表示できるものなどもあり、選択が可能です。

 スマートフォン(ペアリングできるのはGalaxyシリーズに限られてしまいますが)とBluetoothで連携させて利用できる機能としては、Gear S端末内に備えられたセンサー類や、GPS機能で、歩数計、心拍数計測、紫外線計測、活動量モニタリングなどが利用できるほか、ランニングやサイクリング時の移動場所や心拍数の変化を記録できるエクササイズ機能も備えています。また、あらかじめ音楽プレーヤアプリやニュースブリーフィングアプリなど、多数のアプリがプリインストールされているほか、「Samsung Gear Apps」から、Gear用に開発されたサードパーティーのアプリもダウンロード&インストールの上で利用可能です。

 腕バンドタイプのウェアラブル端末「Gear Fit」と同様に、このGear Sも端末本体部分からバンド部分を取り外して、バンドのみを交換することもできます。バンドが劣化した場合なども端末本体を無駄にすること無く、バンド交換ができます。

 端末のOSはTizenを採用。ディスプレイは約1,600万色の曲面スーパー有機EL (Curved Super AMOLED)でサイズは約2インチ。解像度は360×480ピクセル、CPUはデュアルコアでCPU速度は1GHzです。内蔵メモリはRAMが512MB、ROMサイズは4GBとなっている。重量は約67g、バッテリー容量は300mAh。フル充電すれば2日ぐらいは十分に電池が持つような感じです。当然のことながらIPX7相当の防水機能、IP6X相当の防塵機能を備えます。今後11月には、ナビゲーション機能も追加されるようです。

 なお、Gear Sは単体で購入できるのですが、最初の起動時に必ずGalaxyシリーズとペアリングをさせる必要があります。

こんな感じで通話するんですよ!!

こんな感じで通話するんですよ!!

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木暮祐一
1980年代後半より日本の携帯電話業界動向をウォッチし、携帯電話関連媒体の立ち上げや執筆などに携わる。2000年にはアスキーで携帯電話情報ニュースサイトを立ち上げ編集長を務めた。ケイ・ラボラトリー(現、KLab)を経て2009年に大学教員に転身。2013年より青森公立大学経営経済学部准教授。黎明期からの携帯電話端末コレクションも保有し、その数は1000台以上。株式会社ウェブレッジ社外アドバイザー

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